先日、大変考えさせられるニュースがあった。
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スピード社に負けない!日本競泳界に救世主
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大阪の中小企業、山本化学工業の素材が、今、問題になっている競泳界のスピード社水着問題を解決してしまうかもしれないという記事。
この問題は、スピード社が、撥水性に極めて優れた素材を用いた水着を提供しており、使用している選手が、次々と世界記録を塗り替えているため、スピード社と契約していない、日本選手が北京オリンピックで不利になってしまうというお話。
ニュースは、慌てた日本水連が、契約メーカーに対して、異例の開発依頼をしたところ、山本化学工業は、既に、スピード社に負けない素材を開発済みで商品化しているということで、その素材をミズノ、アシックス、デサントに提供することになったというニュースなのです。
「日本の中小企業の技術力はすごいなぁ」
という論調のニュース報道になっていますが、小生がこのニュースを見て思うのは、
「日本の大手企業はこれだからダメなんですよ」
「こんな風潮では、日本の技術力は衰退する」
ということ。
ニュース本文のこの部分です。
昨年10月に日本水連と契約するミズノ、アシックス、デサントの3社に持ち込んだ際には断られた。だが、今回は逆に3社から別々に素材の提供を求められ、9日にテスト用素材の納品を済ませた。「五輪で、日本の技術屋は大したものだと思ってもらえれば、それだけでいい」。山本社長以下、従業員わずか73人の大阪の町工場が、世界に挑む。
昨年、山本化学工業は、各社に提案しているのですよ。しかし、その際には断られている。それが、今回、大慌ての大手3社は、山本化学工業に、言い方語弊あるかもしれませんが、「泣きついた」という構図。
山本社長の心中察するところですが、コメントが素晴らしいですよ。本当に。
最初提案し、断っていた大手三社の担当者、その責任者はどんな気持ちなんでしょうね。
仕事がら中小企業の経営相談を多く受けていますが、総じて、日本の取引というのはこういう事が多いです。技術力、商品力を有する中小企業がどんなに頑張って、大手に提案しても、全く取り合ってくれない。
すなわち、販路が広がらない。ゆえに、素晴らしい技術・商品が埋没してしまう。すなわち、中小企業が成長できない。
もちろん、提案する中小企業側に提案力が欠けていることも要因としてあるのでしょうが、大手メーカーの仕入れ担当者は、これを機に真剣に考え直してほしいと思うのです。
5月1日のNHKクローズアップ現代に、元フェラーリのカーデザイナーであった奥山清行氏の日本での活動が特集されていた。
その内容は、日本の中小企業(番組では山形の家具メーカーや、盛岡の自動車部品メーカー)が日本をとび越え、世界に勝負に出るというもの。そこには、優れたプロデューサーの存在があってのことではあるが、奥山氏のコメントが秀逸だった。正確な転記ではないかもしれないが、そのコメントは、
「欧米の企業は、その商品をしっかり見て判断する」
というものだった。
企業の規模などは関係なく、本当に良いものであれば真剣に向き合ってくれるといことなのだ。
日本に置き換えるなら、
「日本の企業は、商品の前に、その企業を見て判断する」
ということになるだろうか。
もちろん、すべてのおいてそうだあるとは思わないが、総じて当てはまるのではないかと思う。
日本では全く相手にされなかった日本の中小企業が、世界で評価されて逆輸入されてくるという事例は少なくない。NASAで取り扱われる技術に日本の中小企業が選ばれているなどというのはその代表例だ。
山本化学工業の今後の成長・発展とともに、同じような立場にある、日本の中小企業が続いてくれることを願ってやまない。
そして、自分自身も、出会う多くの中小企業の技術やサービスに、真摯に向き合い、その本当の価値を見極め判断できる目を持ちたいと戒められたニュースだった。
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スピード社に負けない!日本競泳界に救世主
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大阪の中小企業、山本化学工業の素材が、今、問題になっている競泳界のスピード社水着問題を解決してしまうかもしれないという記事。
この問題は、スピード社が、撥水性に極めて優れた素材を用いた水着を提供しており、使用している選手が、次々と世界記録を塗り替えているため、スピード社と契約していない、日本選手が北京オリンピックで不利になってしまうというお話。
ニュースは、慌てた日本水連が、契約メーカーに対して、異例の開発依頼をしたところ、山本化学工業は、既に、スピード社に負けない素材を開発済みで商品化しているということで、その素材をミズノ、アシックス、デサントに提供することになったというニュースなのです。
「日本の中小企業の技術力はすごいなぁ」
という論調のニュース報道になっていますが、小生がこのニュースを見て思うのは、
「日本の大手企業はこれだからダメなんですよ」
「こんな風潮では、日本の技術力は衰退する」
ということ。
ニュース本文のこの部分です。
昨年10月に日本水連と契約するミズノ、アシックス、デサントの3社に持ち込んだ際には断られた。だが、今回は逆に3社から別々に素材の提供を求められ、9日にテスト用素材の納品を済ませた。「五輪で、日本の技術屋は大したものだと思ってもらえれば、それだけでいい」。山本社長以下、従業員わずか73人の大阪の町工場が、世界に挑む。
昨年、山本化学工業は、各社に提案しているのですよ。しかし、その際には断られている。それが、今回、大慌ての大手3社は、山本化学工業に、言い方語弊あるかもしれませんが、「泣きついた」という構図。
山本社長の心中察するところですが、コメントが素晴らしいですよ。本当に。
最初提案し、断っていた大手三社の担当者、その責任者はどんな気持ちなんでしょうね。
仕事がら中小企業の経営相談を多く受けていますが、総じて、日本の取引というのはこういう事が多いです。技術力、商品力を有する中小企業がどんなに頑張って、大手に提案しても、全く取り合ってくれない。
すなわち、販路が広がらない。ゆえに、素晴らしい技術・商品が埋没してしまう。すなわち、中小企業が成長できない。
もちろん、提案する中小企業側に提案力が欠けていることも要因としてあるのでしょうが、大手メーカーの仕入れ担当者は、これを機に真剣に考え直してほしいと思うのです。
5月1日のNHKクローズアップ現代に、元フェラーリのカーデザイナーであった奥山清行氏の日本での活動が特集されていた。
その内容は、日本の中小企業(番組では山形の家具メーカーや、盛岡の自動車部品メーカー)が日本をとび越え、世界に勝負に出るというもの。そこには、優れたプロデューサーの存在があってのことではあるが、奥山氏のコメントが秀逸だった。正確な転記ではないかもしれないが、そのコメントは、
「欧米の企業は、その商品をしっかり見て判断する」
というものだった。
企業の規模などは関係なく、本当に良いものであれば真剣に向き合ってくれるといことなのだ。
日本に置き換えるなら、
「日本の企業は、商品の前に、その企業を見て判断する」
ということになるだろうか。
もちろん、すべてのおいてそうだあるとは思わないが、総じて当てはまるのではないかと思う。
日本では全く相手にされなかった日本の中小企業が、世界で評価されて逆輸入されてくるという事例は少なくない。NASAで取り扱われる技術に日本の中小企業が選ばれているなどというのはその代表例だ。
山本化学工業の今後の成長・発展とともに、同じような立場にある、日本の中小企業が続いてくれることを願ってやまない。
そして、自分自身も、出会う多くの中小企業の技術やサービスに、真摯に向き合い、その本当の価値を見極め判断できる目を持ちたいと戒められたニュースだった。