原油価格が高騰し続けています。
本日、7月1日から、各種商品の再値上げが実施されました。

今年になり、政財界あげて「エコ」の大合唱。
何を今さら、という感じもしないでもないですが、こうした流れにより、消費者ひとりひとりの意識が高まるのですから悪いことではないとは思います。

昨日、NHK衛星第一で放送されていた
世界のドキュメンタリー
<シリーズ  近未来予測>
人類滅亡を回避せよ 〜2075年 地球温暖化のシナリオ〜(前編)


世界のドキュメンタリー7月1日

を見ていて、ふと思ったことがあり、記しておきたいと思います。

それは、
「原油高騰は『神の見えざる手』では?」
ということ。

「見えざる手」は、ご存じのとおり、経済学者アダムスミスの言葉。
市場は「見えざる手」により動かされるという理屈です。

ちょっと、言葉足らずなので、追記すると
「原油高騰は環境保全の為の『神の見えざる手』では?」
となります。

間違いない、きっとそうだ。間違いない!
と、テレビを見ながら妙に納得してしまったのです。

「原油の高騰が、結果として地球環境を守る」

ということになるのだと思うのです。

現在の原油高騰は、マネーゲームの結果という見方もあるようですが、BRICSをはじめとした新興国の需要が伸びてきているので、価格が高騰するのは致し方なしということだと考えております。

来週は、洞爺湖サミット。
環境問題、食料問題が大きなテーマになるとのことですが、

先進国と、新興国の考え方の隔たりは大きく、足並みをそろえるのは容易ではなさそうですね。

「これまでの環境破壊は、先進国の責任。これから成長を遂げようとしている新興国にも、先進国と同様の環境規制をかけることは間違っている」

と、まぁ、平たく申し上げればこれが新興国の言い分。
人間は愚かです。地球が住めなくなってからでは遅いのに。

いや、待て、
もしかすると、先進国にとって、今後も先進国である為かもしれません。
現在のままでいけば、中国やインド、ロシアなどの経済力が、先進国を追い越すのも時間の問題。

そうなっては、困るという先進国が「環境」という印籠を掲げ、コントロールしようとしているのですね。

なるほど、そういうことであれば、新興国が、先進国の環境規制に反発するのも理解できます。

話が、暴走しはじめました。本題に戻します。

もし、価格が以前の水準のまま、消費が拡大し続ければ、当然ながら二酸化炭素の排出量は、とめどなく増えるわけです。

いくら環境問題を叫んでも、安価に手に入る原油があれば、具体的な対策はとりませんよね。特に、アメリカは。

しかし、状況が変わった。とんでもなく原油が高騰している。
これまで通りに原油に依存した経済は、立ち行かなくなってきている。

仕方ないから、原油に依存しないエネルギーを普及させよう。無駄な資源の利用は控えよう と、経済的な理由から、結果として環境対策がなされるようになってきました。

環境を守るために、代替エネルギーの開発、CO2削減 が加速してきたのではなく、原油が高くて手に入れられなくなるから、なされている。

その点に注目したいのです。

結局、どれだけ、環境のことを議論しても、「お金」が伴わないと具体性に乏しいわけです。

このままでは、地球が50年後には人が住めない星になってしまう。そう危惧しても、今がよければ結局、人間はそちらを選ぶ。

原油高騰の仕掛け人は、もしかすると、地球環境を憂いている人であったのではないでしょうか?

「環境対策に最も、速効性があるのは、原油を高騰させることだ」

と気がついた。それで動いた。
それが大きなうねりとなり、今がある。

そう思うと、原油高騰も喜ばしいことです。
もっともっと上がればよいのです。

21世紀型の経済成長モデルは、環境経済モデルであることは間違いない中、新興国は、20世紀型の成長モデルを追い続けている現状下、

先進国は原油に依存しない経済を確立する。新興国は、経済成長は、高騰し続ける原油価格に追いつけず、破たんする。

そんなことを、テレビを見ながら鮮明に思った次第。

そう思うと、
日本国内での、たばこ増税議論など、本当にどうでもよいくらい些細な問題です。

今後の世界情勢、目が離せません。
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