「通り魔事件は『格差社会』が原因だ」


などと、テレビで論じる人がいます。
どうして、そんな断定的なことを言うのですか?

テレビメディアの特性上、いたしかたないのでしょうが、そうした無責任な報道が、次の犯罪者を生み出すように思えてならないのです。


先月の秋葉原無差別殺傷事件に続き、またしても発生してしまいました。

八王子通り魔事件。

「誰でもよかった」

と、まぁ、秋葉原事件の犯人と同じような証言をしているそうです。

 テレビはこの事件に多くの時間を割いて、犯人の素性やら、被害者の素性を競うように報道しています。

 犯罪心理学の専門家、コメンテーターなど、さまざまな立場の人が、それぞれの持論を展開しています。

 集計した訳ではないですが、「格差社会」を原因にしている論調が多く聞こえてきます。

 格差社会
  ↓
ワーキングプアを生み出す、
 若者が将来に希望を持てない。
  ↓
 犯罪に走る。

 とまぁ、確かにそれも一因かもしれませんね。
でもですよ、そんな単純なものではないですよね。

 様々な要因が、複雑に絡み合い、最後に引き金となる要因が加わり、最悪の結末が生じる。

 原因の究明は重要です。

ですが、安易な結論染みた報道は良くないと思っています。

人間は弱い生き物です。

「格差社会が悪い」とメディアが伝え続ければ、

「そうだ、自分が不幸なのは、世の中が悪いのだ!」

と、結論づけ、最後の引き金を引いてしまう人は発生するでしょう。

 原因は様々あるとは思いますが、あえて何か1つの原因をあげるのであれば、自身の結論は、

「メディアが原因」

ということになります。

 安易なニュース報道が多すぎます。報道がバラエティ化してしまったことも一因でしょう。

政治もメディアと癒着状態ですから、
「犯罪報道」について徹底的な介入ができていません。

政治が口を出してくれば、

「言論の自由が奪われる」

的な抵抗をはじめます。

 犯罪報道には、もちろん意義はあるとおもいます。
が、その意義が形骸化して、犯罪を助長するような報道になっているならば、それは悪です。犯罪として罰するべきでしょう。

 でも、その明確な基準がない。
ないなら、考えようと政治が動けば、それだけでも、やはり、メディアは総反発。

 考えがまとまりきりませんが、とにかく、安易に通り魔事件の原因が「格差社会」のみであるかのごとく、報道されることには、大いに疑問を感じます。ということです。
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