火曜日の8限は「仕組み革新」
小野先生と黒岩先生のダブルチームの授業。
本日は黒岩先生による「小口化」に関するケースディスカッション。
パーク24をケースに小口化の概要を理解して、本題は
「カーシェアリングは如何にしたら成功するか?」
をみんなであれやこれやとディスカッションしました。
小口化という概念は使いやすいですね。大変参考になりました。
パーク24は、街中の空き土地にある無人コインパーキングです。
駐車場というのは、通常「月極」で年間契約を結ぶビジネスモデルでしたが、パーク24が10分とか15分単位に小口化して、成功したのです。
小口化というと何となくそれっぽいですが、小口化により生まれた新しいビジネスは、周りに多数ありますよね。
例えば、TSUTAYA。これはCDとかDVDとかを購入するのではなく、1日とか1週間とか所有を小口化して貸し出す。レンタル事業はすなわち小口化ビジネスです。
また、不動産投資信託(REIT)も、証券を小口化しています。複数の人で競走馬を保有する一口馬主なんかも小口化ですね。
小さくする、分割する事によりそれまで顧客となり得なかった層を取り込むことができる、そういうことです。
まぁ、考えてみればビジネスの基本的な考え方といえば、そうですね。肉屋は、肉をグラム単位で販売するのは当然のこと、牛一頭とか豚一頭では買う人は限られますからね。
フランチャイズビジネスなんかは、ビジネスをパッケージして多くの参画者を募り成長させるビジネスモデルなのである種の小口化ビジネスかと思ったりします。
まだ誰も気づいていない小口化すれば新しいビジネスとなる分野や事業はあるでしょうね。
その、小口化に際して留意しなけれいけないポイントも当然あります。
「取引コスト」
例えば駐車場ならば、1台分を1人と年間契約するとなれば、一度の取引で基本OKなわけです。それを、10分や15分単位に小口化すれば、取引回数は激増するわけです。取引回数と取引コストが比例してしまうような小口化ビジネスは非常に危険な訳です。
「取引単価」
小口化の際に、単価があげられるか?という点は重要なポイントです。例えば、駐車場が月極で1ヶ月の駐車料が3万円だったとします。これを30日で割れば1日1000円です。1人の人と1ヶ月契約するならば、1回のと取引で3万円の収入。仮に1日ごとで30人と契約した場合は30回取引コストがかかります。1日1000円であると、月極3万円で契約するのと比較して利益率は低下します。そういう事です。
パーク24の場合、15分100円にて、1日24時間、30日100%稼働と想定すると、
400円×24時間×30日=288,000円
となります。稼働率50%でも144,000円。パーク24は、小口化するにあたって単価を一気に引き上げているのですね。
これであれば、取引コストが増えても利益が出そうな感じがします。
と、長くなりましたが小口化についてはこれくらいにして、この学習を踏まえて、本題はカーシェアリングです。
授業では、レンタカー事業の小口化という視点で考えましたが、カーシェアリングは単体事業としてはなかなか成立させるのが難しいですね。
上記の取引コストと単価について考えてみます。
取引コスト:
車は使用する汚れますよね。レンタカー事業は、次に貸すまでに綺麗に掃除しています。小口化してその清掃の回数が増えるのは非常につらいですね。
実際、現在のカーシェアリング事業は、無人で貸し借りが完了し、社内清掃も毎回は行っていない事業者が多いようです。
取引単価:
レンタカー事業の最大手トヨタレンタカーはコンパクトカーで6時間が最短利用時間で価格が5,000円。1時間あたり約800円。15分だと約200円です。
カーシェアリングの多くは会員制をとって月額固定費をもらい利用都度に課金というモデルが多いようですが、15分200円〜400円が相場のようです。
パーク24のように単価を上げることが出来ていないのに、取引コストが増えるというのは、小口化成功の法則(?)には当てはまりませんので、単体では難しいといわざるを得ません。
実際、カーシェアリングは環境ビジネスに属され、今後への期待から多くの会社が参入しています。ウィキにカーシェアリングを展開している会社が整理されています。
貸すことを前提に買うというのも良いかもしれませんね。
今後、まだまだ参入企業が増え続けるでしょうね。そして淘汰されるのでしょうが、優れた戦略をもって、圧倒的な優位性を確立できる可能性が高い事業モデルをとれれば、今からでも遅くない感じがします。
今回は長くなりましたが以上です。
カーシェアリングが地球を救う―環境保護としてのニュービジネス
著者:村上 敦
販売元:洋泉社
発売日:2004-11
おすすめ度:
クチコミを見る
これであれば、取引コストが増えても利益が出そうな感じがします。
と、長くなりましたが小口化についてはこれくらいにして、この学習を踏まえて、本題はカーシェアリングです。
授業では、レンタカー事業の小口化という視点で考えましたが、カーシェアリングは単体事業としてはなかなか成立させるのが難しいですね。
上記の取引コストと単価について考えてみます。
取引コスト:
車は使用する汚れますよね。レンタカー事業は、次に貸すまでに綺麗に掃除しています。小口化してその清掃の回数が増えるのは非常につらいですね。
実際、現在のカーシェアリング事業は、無人で貸し借りが完了し、社内清掃も毎回は行っていない事業者が多いようです。
取引単価:
レンタカー事業の最大手トヨタレンタカーはコンパクトカーで6時間が最短利用時間で価格が5,000円。1時間あたり約800円。15分だと約200円です。
カーシェアリングの多くは会員制をとって月額固定費をもらい利用都度に課金というモデルが多いようですが、15分200円〜400円が相場のようです。
パーク24のように単価を上げることが出来ていないのに、取引コストが増えるというのは、小口化成功の法則(?)には当てはまりませんので、単体では難しいといわざるを得ません。
実際、カーシェアリングは環境ビジネスに属され、今後への期待から多くの会社が参入しています。ウィキにカーシェアリングを展開している会社が整理されています。
カーシェアリング - Wikipedia
多くの企業があるなか、今後の可能性を個人的に感じる会社をいくつか。CaFoRe:みんなのカーシェアリング「カフォレ」 - 格安レンタカー
ここは、個人所有の車をネットで仲介するサービス。CtoCビジネスです。個人で所有しているけれど、乗るのは休日のみで平日は全く使っていない人で、少しでも車の保有コストを下げたくて、自分の車を他人に貸すことをいとわない人なら良いかもしれません。貸すことを前提に買うというのも良いかもしれませんね。
クルマを持たずに、マイカーに乗ろう!|三井物産グループのカーシェア
Carecoというサービス名称らしいです。似たような名前ばかりですね。これに限らずなのですが、都市部のマンション向けのサービスでサービス展開しているところは可能性がありますね。マンション住人という固定的な顧客のみに貸し出すので管理が容易ですし、マンション内の駐車場を使えば固定コストも抑えられる。都市部では車保有コストは高いので、自分のマンションにあれば使いますね。筑波大学 | 最新情報 カーシェアリングシステム「カーシェア・つくば」導入
我が母校でも実験的に開始しているのを初めてしりました。これは非常にニーズがありますね。筑波大学生は車がないと生活が出来ない街なのです。地方大学などにおいて、学生相手というのは一つの展開の方法かもしれません。ただ、学生は運転が下手くそなので車がすぐにボロボロになるかもしれませんけど。今後、まだまだ参入企業が増え続けるでしょうね。そして淘汰されるのでしょうが、優れた戦略をもって、圧倒的な優位性を確立できる可能性が高い事業モデルをとれれば、今からでも遅くない感じがします。
今回は長くなりましたが以上です。

著者:村上 敦
販売元:洋泉社
発売日:2004-11
おすすめ度:

クチコミを見る
スポンサードリンク
コメント