一作日発売になったダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」を一気読みした。
本書はつまるところ、
「 これからは仕事を報酬の為だけにやっていては高い成果は出せないよ 」
ってことを説いています。
その事は、読む前から大よそ内容は予想出来たけれど、旧態依然のモチベーション管理方法(モチベーション2.0)のダメな所と良い所がきちんと整理されていて、そして内なるやる気を元にする管理方法(モチベーション3.0)への必然性から移行への具体的手法までまとめてあり、想像以上に良い内容でした。
内容を細かに記載するのは避けますが、
モチベーション2.0に代表される「アメとムチ」マネジメントの致命的な7つの欠陥を本書では以下としていました。
1) 内発的動機づけを失わせる。
2) かえって成果が上がらなくなる。
3) 創造性を蝕む。
4) 好ましい言動への意欲を失わせる。
5) ごまかしや近道、倫理に反する行為を助長する。
6) 依存性がある。
7) 短絡的思考を助長する。
言われてみればその通りってことなのですが、その理由を丁寧な調査、事例により言及されていて、もの凄く納得感を得られます。
タイプX(extrinsic:外発的)からタイプI(intrinsic:内発的)へ行動を移行する必要性を言及していて、タイプIがモチベーション3.0の前提となるというお話です。
で、そのモチベーション3.0における3つの要素は、
1) 自律性(オートノミー)
2) マスタリー(熟達)
3) 目的
と整理されています。
人生を楽しんでいる人や仕事で大きな成果をあげている人にとっては取り立てて斬新な概念ってわけではないですが、「仕事は生活のため」とか「給与を貰っているから嫌な仕事もしなければならない」というパラダイムが強い人にとっては、とても良い本かもしれません。
また、個人的な仕事に対する向き合い方や心の持ちようといった側面よりも、モチベーション3.0的な組織マネジメントの在り方・手法や具体的な事例が沢山紹介されていますのでマネジメントに携わる人にとっては、自己啓発本とは少し異なり、新しいマネジメント手法の教科書的な本になっています。
例えば、人への褒め方や報酬の決め方など、すぐに活かせる手法てんこ盛りっていう感じです。
本を通じて、改めて自分自身の仕事への向き合い方を確認するとともに、マネジメントの在り方を考えさせられる本でした。
仕事は人や組織からモチベートされるのではなく、あくまで自分自身でモチベートしていかないといけないっていうことですよね。

著者:ダニエル・ピンク
販売元:講談社
発売日:2010-07-07
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著者:ダニエル・ピンク
販売元:三笠書房
発売日:2006-05-08
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