教育業界にて仕事をするようになりもうすぐ2年。

 2011年の6月頃から、現場経験を積ませてもらう為に
 週1回、 お世話になっている会社の個別指導塾の教室に入らせてもらい授業を持たせてもらってきました。 
 
 主には中学2年生女子の英語と、中学3年生女子の数学。
 ※最近は、同日に中1男子の数学、中2女子の数学、中3男子の数学もみています。
 
 きっかけは、恩師に現場を知ることもさることながら、「『わからない』ことを『わかる』ことが今後のマネジメントに役立つ」というアドバイスから。
 
 「ゆとり世代」 と言われる生徒たちの学力や価値観、学習実態を知るってことは当然として、学校の定期テストで5教科合計300点前後の生徒たちを如何にして勉強に向かわせ成績を上げていくか?その技を身につけること。

 はじめの頃は「何でわからないのかがわからない」と多少の戸惑いもありました。数学英語などは理屈を自分自身が理解し納得して問題を解けるようになるタイプだったので、どうしても「何故そうなるのか」を教えたがっていました。でも、平均40〜50点くらいの生徒たちにはそれが効かないわけです。

 理解納得の前に、まずは「解ける」という成功体験が何よりも重要なわけです。同じ目線にたってあげて簡単な問題から何度も何度も類似問題を繰り返し、都度褒めてあげ、少しずつ質と量を上げていく。

 これは中学生の勉強のみならず、人を育てるうえでも同じ事なんだと肌身実感するわけです。

 と、まぁ教育業界、学習塾業界にいる人に限らず「当たり前」ちゃぁ当たり前の事なんですけどね。

 それに加えて、自分は、2つのこと意識して生徒と接してきました。

 1つは「勉強をする型」を身につけること。中学の勉強はテストで良い点を取ることもさることながら、今後の人生において、未知なものを習得する方法論を身につける機会だと思うのです。

 今学んでいる単元の前後関係や、英語数学の効率的な勉強方法、勉強の段取りと進捗管理等々。全てを完全に身につけるところまで出来てはいませんが、いつか「あぁ、塾で聞いた勉強方法と同じことだ」と思いだしてもらえればそれでOKくらいの感覚で折に触れ話をしました。

 もう1つは、「今、勉強を一生懸命やる価値」。

 現在の日本の教育制度、教育手法には賛否両論、様々意見があるとは思いますが、そんなのどうでも良いと思うのです。
 
 制度や世の中どんなに変わっても「自学自習、自分自身が努力し結果を得ること」の大切さは普遍性があると思うのです。それを勉強を通じて最初に身につけることが大切だと思うのです。
 
 自分自身を振り返ると、自分は幼い時から親にとにかく勉強を「させられた」クチです。洗脳に近いレベルで小学生低学年の時から、高校は公立の進学校に行き、国立大学(まぁ東大に行けといわれていましたわけですが)に入り、一流企業に就職せよ!と言われて育ちました。

 結果は、東大には行けませんでしたが、まぁまぁな国立大学に入れて、就職は親への反発もあってか期待に添えない就職をしましたが、今は親にとても感謝しています。

 中学の頃はその意味は全く理解ができませんでした。半ば強制的に勉強させられていましたが、思えば、父が勉強の仕方、勉強の価値をいつも教えてくれていたのです。
 
 無意識の内に父が自分にしてくれていた事を生徒にもしようとしていたってことだと思います。

 「勉強は裏切らない」「勉強は自分自身の人生を拓く唯一の方法」
 

 そんなことを理解して勉強している中学生など殆どいないでしょう。だから、誰かが半ば強制的に「やらせる」必要があり、もし公教育がそういう役割を充分に担えていないならば、民間教育機関がそれを担う必要があり、それが学習塾の価値かなと。
  
 なんで、こんなことを書こうかと思ったかというと、 先週、なかなか結果が出なかった中2の生徒が、ようやく学年最後の定期テストで結果を出してくれたから。

 そして、 中3生が、本日無事、志望校に合格したという知らせを聞いたから。


 嬉しくて涙がでました。この嬉しさは何物にも代え難い。これはもう麻薬ですな・・・。


 と、教育という仕事は「やり甲斐」が他の業界に比べ実感しやすく、その大きさも非常に大きいことを実感。それはそれで非常に良いと思うのですが、それだけでは駄目だと戒めの想いも同時に感じるわけです。

 学習塾業界は利益水準は他業界に比べ低く、当然ながら、そこで働く人たちの給与水準も低いのが現実です。これは「やり甲斐」という印籠の元に生産性があがってきていない、上げてこられてないという実態があると考えているのです。

 教育を聖域化する風潮が、経営効率・生産性の追求を「悪」とみなす雰囲気を作ってきたことも一因にあると思うのです。自分はこれを変えていきたい。そうすれば、教育業界はもっと良くなる。 教育は国力の基礎体力、教育業界が良くなれば必ず日本は良くなる。

 今の日本において革新を最も起こしやすい、最も成長の可能性を秘めているのは「教育分野」であると思っているのです。
 
 と、なんかここまで書いてみて、なんとも中二病的な箇所多数で全て消してしまいたいような衝動もあるのですが、このままアップしてしまいます。


 要は何が言いたいかというと、「Oさん、合格おめでとう!」ってことです。


 教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する
著者:クレイトン・クリステンセン
販売元:翔泳社
(2008-11-20)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

スポンサードリンク