無くしたと思っていたものが見つかった時って嬉しいですよね。

本日、数日前に「無くした」と結論付けていた免許証(通算3度目)が思わぬところから出て来まして、マンモスハッピーだったのです。

にしても、無くなったものが出てきた、つまり「元の状態に戻っただけ」なのに、一度諦めていたものが出てきた時は何でこんなに嬉しいのでしょうか?

 見つかった喜びの勢いで、その理由について考えてみました。考えながら書く、書きながら考えるで完成してるエントリーですので、ツッコミ所が多いところは多目にみてくださいませ。

『お題:何故、無くしたものが出てきたとき嬉しいのか?』
 ※「そりゃ誰でも嬉しいでしょ!」はとりあえず無しでお願いします。

 無くしたことによる幸福度Aが「−10」(つまり不幸)とすると見つかった幸福度Bは「+10」(幸福)とします。元ある状態になっただけなのでプラスマイナス0で良いような話なのですが、「A+B>0」に確実になると思うのです。今回はこの理由を追究してみたいと思います。

ステップ1) 「無くしたかも」と気づいてから「見つかる」までのプロセスを整理してみます。

状況1)免許証が見当たらないことに気づいた瞬間
★心理状況 = 探せば見つかる:90% 「無くした」ことを認める:10%

 状況1においては、一瞬「無くしたのか!?」と脳裏をよぎるものの「まぁ探せば直ぐ見つかる」と楽観視しているので、さほど不幸な気持ちにはなりません。でも、少し不幸を感じていて、その心理状況は10%程度。その「無くした」という不幸割合を基準に「幸福度 : −1」としてみます。

状況2)ひとしきり探す、でも見つからない
★心境状況 = 探せば見つかる:50% 「無くした」ことを認める:50%
 
 探してみてもすぐには見つからず、徐々に「無くした」という事実を受け入れる準備を始めます。改めて免許撮り直すこと(自分はこれが3回目になるため、かなり深刻)や、免許証を持っていないことによる不便を考えだします。この時が「幸福度 : −5」です。

状況3)徹底的に探す、でもやっぱり見つからない、諦めるしか無いのか…
★心境状況 = 探せば見つかる:20% 「無くした」ことを認める:80%
 「絶対こんなトコロには無いでしょう」というところまで、あらゆるところ徹底的に探します。でも見つかりません。焦って探すと余計見つからないものだという根拠のない無理矢理な楽観論を少し残し、一旦探すのを止めます。
この時、「幸福度 : −8」です。3度も無くす自分が情けなくかなりブルーな状況です。

状況4)もう見つからない、諦めるか…
★心境状況 : 探せばみつかる:0.0% 「無くした」ことを認める:99.9%
 状況3から頭の何処かに常時「免許証がありそうなところは?」という思考プロセスがワークしている状況。でも、流石に見つからず観念します。僅かな奇跡に期待しつつ「無くした」ことを認め、改めて自己嫌悪に陥ります。
「幸福度 : −10」この時が不幸最大値となります。
こんな感じですね。

ステップ2) 次に、見つかった時の幸福度について考えてみます。

状況5)見つかった!!!!
見つかったことにより、元の状態になります。マイナスとなっていた幸福度は一気にプラスマイナス0になる、はずです。この考えに基づくと、状況1)のタイミングで見つかっていたら、幸福度は+1、状況2なら+5、状況3なら+8となります。
と、ここまで書いてみて、幸福度という数字では説明が出来ないような気がして来ました。

ステップ3) ということで、もし各状況下で見つかった時の喜びをイメージしてみました。
状況1で見つかっていたら:
 「見つかるとは思っていたけど、一瞬無くしたかと思ったよ〜」
状況2で見つかっていたら:
 「無くしたかと思った・・・、見つかって良かった良かった」
状況3で見つかっていたら:
 「もう半ば諦めてたのに、見つかったよ、自分ってツイてる!!!!」
今回は状況4で見つかりましたが:
 「いやっほーい!日頃の行いか?自分の運気が上昇してきてるのか?神様ありがとう!」
あ、これはつまり「探せば見つかる」という期待値に依存しているんですね。考えてみれば当然じゃないですか・・・ 結局、ここまで駄文を書き連ねるなんて馬鹿だ・・・。

見つかる期待値は90%と自分で思っていて見つかれば、10%分嬉しく思うし、もう諦めて見つかる期待値を0.0%なら見つかった時の喜びは限りなく100%分喜べる。

これってガッカリ度の話にも応用できますね。例えば、成功への期待と、失敗することへ心の準備みたいなモノです。

あるプロジェクトに対し90%の確率で成功すると思っていても、心の何処かで「もしかすると失敗するかも」と準備している。これが10%程度だったします。その状態で結果失敗すると90%成功すると思っていたのに失敗するわけですから、ガッカリ度は、期待90−失敗覚悟10=80(ガッカリ度)と大きいものになります。

半々と思っていたら、仮に失敗してもさほどガッカリしない。これが成功は僅かな期待していなかったのに成功すると、期待10−失敗覚悟90=−80、ガッカリ指数がマイナスになるということで大喜び!となるわけですね。

ここまで書きましたが、実は、ステップ1)の状況2を書いた時点で、つまるところ「期待効用」のお話なんじゃないか?と思ってみたり、プロスペクト理論か?と思ってみたりしたのですがイマイチしっくりこなくて書き続けましたが、結局、この考えが正しいのかどうか判断できずにココまできてしまいました・・・。

有効な回収ができない埋没時間、サンク・コスト万歳であります。

でも、なんかもっと違う視点から考えてみると面白いテーマのような気がしますが、その視点となるような知識を持ち合わせていないのでこれくらいにしておきます。


プロスペクト理論の入門書はこれですかね。

ダニエル・カーネマン心理と経済を語るダニエル・カーネマン心理と経済を語る [単行本]
著者:ダニエル カーネマン
出版: 楽工社
(2011-03)
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