Facebook友人がシェアしてくれていたとあるブログを読み、危うく地雷を踏むところだったので自戒を込めてメモしておきます。
友人からシェアされたブログはこちら。
2013-05-05 文章を「書ける人」と「書けない人」のちがい/デマこいてんじゃねえ!
http://d.hatena.ne.jp/Rootport/20130505/1367763730文章を書くに際して十分な知識が必要であるという主旨の内容。それ自体は「まさにその通り!」と共感できる内容。特に、ブログ筆者がアニメ好きのようで、例示がラノベである点にかなり共感。ラノベ原作のアニメ花盛りですが、その原作者の知識レベルは如実に作品に現れるんですよね。ブログに紹介されている『まおゆう』なんかは、確かに経済、世界史の知識が無いと楽しめない内容でありますし、例にはあがっていませんが『シュタインズ・ゲート』は量子力学がベースにしっかりあることが作品の完成度を確実に高めています。
さておき、今回は内容そのものより、内容を補完するために引用されていた文章のこと。
ブログ本文に、藤子・F・不二雄のソース不明の言葉として下記が紹介されていました。
よく「漫画家になりたいなら漫画以外の遊びや恋愛に興じろ」だとか「人並の人生経験に乏しい人は物書きには向いていない」だとか言われますが、私の持っている漫画観は全く逆です。人はゼロからストーリーを作ろうとする時に「思い出の冷蔵庫」を開けてしまう。自分が人生で経験して、「冷蔵保存」しているものを漫画として消化しようとするのです。それを由(よし)とする人もいますが、私はそれを創造行為の終着駅だと考えています。家の冷蔵庫を開けてご覧なさい。ロブスターがありますか?多種多様なハーブ類がありますか? 近所のスーパーで買ってきた肉、野菜、チーズ、牛乳・・・どの家の冷蔵庫も然して変わりません。多くの『人並に人生を送った漫画家達』は「でも、折角あるんだし勿体無い・・・」とそれらの食材で賄おうします。思い出を引っ張り出して出来上がった料理は大抵がありふれた学校生活を舞台にした料理です。しかし、退屈で鬱積した人生を送ってきた漫画家は違う。人生経験自体が希薄で記憶を掘り出してもネタが無い。思い出の冷蔵庫に何も入ってない。必然的に他所から食材を仕入れてくる羽目になる。漫画制作でいうなら「資料収集/取材」ですね。全てはそこから始まる。その気になればロブスターどころじゃなく、世界各国を回って食材を仕入れる事も出来る。つまり、漫画を体験ではなく緻密な取材に基づいて描こうとする。ここから可能性は無限に広がるのです。私はそういう人が描いた漫画を支持したい。卒なくこなす「人間優等生」よりも、殻に閉じこもってる落ちこぼれの漫画を読みたい。
(※ソース不明)
素敵な内容ですよね。これを藤子・F・不二雄が発した言葉といわれると、共感度合いも一層高まりまるところ。自分も瞬間的には完璧にヤラれました。が、しかし、(※ソース不明)というのが気になってチョイッと調べてみたら、証明こそされていませんが、限りなく捏造っぽいことがわかりました。※あとからみたら、ブログのコメント欄にもツッコミがはいってましたね。
限りなく捏造っぽいと判断の拠り所にしたブログは下記です。
2007-10-22 藤子・F・不二雄「名言」コピペの嘘/ ※ブログタイトル不明
http://d.hatena.ne.jp/jukeneet/20071022/1193047901
まず、先ほどの検索結果を見ると2007年に入ってからのものがほとんどである。というか2007年2月より前の記事は今のところ確認していない。この時点でもう充分にあやしい。このような発言が本当にあったならばネット上の藤子ファンが引用しないはずがないし、テレビや企画本なんかでも使われているはずだ。少なくともここ10年ほどの藤子関連番組、出版物、ファンサイトのほとんどをチェックしてきた僕が知らないのだから極めてあやしい。なお、藤子・F・不二雄氏が亡くなられたは、1996年です。
速攻でツッコミを入れたブログも発見。
2013-05-06 藤子・F・不二雄と悪魔の証明/あざなえるなわのごとし
http://azanaerunawano5to4.hatenablog.com/entry/2013/05/06/123706これも、独自に収集した情報を整理し伝えていて参考になります。
今回は、ソース不明としてくれていたことが調べるきっかけとなり、結果、限りなく捏造された情報と判断するに至りましたが、一歩間違えたら、それと知らずに拡散するという愚行を犯すところでした。
最近、多いですよね。真偽の怪しい情報をFacebookやTwitterで初見の人が脊髄反射して拡散してている事象。
最近では、志村けんの美談がありましたね。何年も前に既に捏造情報であることは知られていたのに、なんで今さらという感じで、知らずにシェアしている人に教えてあげようという気すらおきませんでした。しばらく前には、ハーバード大の図書館写真なんかもありましたね。少し主旨が違いますが、路上で著名なバイオリニストのお話も近い事象でしょうか。
志村けん&ビートたけしの美談はデマ…グレート義太夫が否定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130411-00000012-flix-movi
「ハーバード大学図書館、朝4時の風景」はデマ - Hagex-day.info
http://ceron.jp/url/d.hatena.ne.jp/hagex/20120105/p7
Facebookで人気の「有名なバイオリン弾き」は限りなくデマ
http://getnews.jp/archives/284829
「嘘を嘘と見抜けない人には(インターネットを使うのは)難しい」 (ひろゆき)
結局のところ、これに尽きます。嘘を嘘として扱うのならばよいのですが、嘘と知らずに嘘を広めるのは悪です。
言い尽くされた話ですが、インターネットの普及により個人による情報発信が容易となったのは良いのですが、その情報の信憑性を各自がしっかり見極める力が大切ってことですよね。では、大マスコミが信頼できるかといえば全く信用出来ないのも困ったもんです。ともするとマスコミの方が偏った、疑わしい、悪意ある情報発信をしてくれたりするので、然るべき個人による発信情報の方が信頼できたりするわけです。
ま、少なくともFacebookの「感動したらシェア」とかいう類には安易に乗っからないほうが良いことは確かです。その類の情報を最初に発信をする人は多分悪人。
便利だけど怖い世の中です。
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