二刀流で話題の日ハムの大谷くんが5月23日、遂に1軍で投手デビューしたようですね。地上波、BSどちらも中継無しで投球内容がわからないところですが、5回86球を投げ6安打3四球2奪三振・2失点という結果は、高卒ルーキーとしては十分合格点といえますよね。

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 今日の結果を受けて、「野手と投手、どちらで伸ばすべきか?」という外野の議論は一層白熱していくことでしょう。何度か打者としての大谷くんは中継で観ていますが、醸し出すオーラはタダものでは無いですね。結果もしっかりだしていますが、インコースへの捌き方は高卒ルーキーとは思えないレベルです。

 プロ野球の世界は、打者も投手も極みの世界で競っているわけですから、二刀流だとどっちつかずになり凡庸な結果しかならないという意見は理解ができます。投手として先発ローテに入りながら打者として毎試合先発は調整上無理かもしれませんが、それでも大谷くんには、投手として30試合、150イニング登板の、打者としては70試合は先発出場で、先発前後は代打出場くらいで100試合程度は出場で規定打席には到達して欲しい。そして、結果は、投手として10勝、打者として、打率.280程度はマークして欲しいなと期待するわけです。

 どちらかに集中すれば、もっと成績を残せるのかもしれませんが、当面は二刀流で良いと思うのです。能力ある人間は、無理に1つのことに集中することは無く、どんどん可能性を広げれば良いと思うのです。 

 「二兎追うものは一兎をも得ず」という言葉を持ち出す人もいますが、これは一兎を追う能力しかない人に言っておけば良いのです。二兎を追う力、能力、可能性を持っているならば追えば良い。

 二兎を追うというのは、スポーツよりもビジネスの世界で今後必要なはなしだと思うのです。1つのことをコツコツというのは聞こえは良いですが、可能性を狭める話しだと感じています。専門領域は1つより関連する複数を持っている方が良いはず。様々な要素が複雑に絡み合い、これまでの当たり前が通用しない世の中では、一見異なる領域の物事を有機的に結合させ、それまで思いもよらなかった答えを生み出すことが求められると思うのです。

 と、こんなことを書いてみたのは、現在、仕事をしながら学問の世界にも身を置き、傍から見ると二兎を追っている状況にある自分ですが、仕事も学問も同じ目的のために今同時に進めておくべきことであり、二兎ではなく一兎と認識して追っていたりするものですから、二刀流の大谷くんに自分を重ねつつ猛烈に応援しているからであります。

 次は、東京ドームでのジャイアンツ戦で是非先発して欲しいな。

武蔵の剣―剣道二刀流の技と理論 (剣道日本)武蔵の剣―剣道二刀流の技と理論 (剣道日本) [単行本]
著者:佐々木 博嗣
出版:スキージャーナル
(2003-05)
 
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