2013年6月6日日経朝刊1面に「センター試験廃止へ」という記事が載りましたね。他紙には載っていないそうなので、日経さん特ダネなんでしょう。このニュースを目にしてから考えたこと徒然に書き残しておきたいと思います。

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■一長一短、どちらが良いと言い切れないから変えてみたら?
センター試験のような一発勝負を辞めてバカロレア方式にしようということらしいですね。どちらの方式にも良い面もあれば、悪い面もあるわけでしょうけれど、自分自身は、直感的には変えることによるメリットが大きいように感じます。十分に議論を重ね政治判断をしてくれれば良いと思いますが、その判断に際しては、これまでの共通一次に始まる歴史の中で出来上がった仕組み・利権構造に組みする勢力が当然反対するでしょうが、そうした抵抗勢力に力技で押し切られるような判断だけはしないで欲しいですね。

ちなみに想定される最大抵抗勢力は、私立大学でしょう。バカロレア方式になり、一発勝負要素が無くなれば、「滑り止め」的な受験の必要性が薄れてくる。学生1人あたりの私立大学受験数は減るのではないかと。そうなると、大学によっては受験料収入の大幅減少で大赤字に陥る大学が続出する可能性があります。経営的観点から反対するのではないでしょうかね。

教育を根本から変えるなら、ルールを変えてしまうのが手っ取り早い。今の日本の教育の現状を健康に例えるなら、食事療法をしているような余裕は無く、もう外科手術が必要なレベル。外科手術=受験生度変更、ではないかなと。

■センター試験への批判への反論
そもそも一発勝負はセンター試験を含めた大学受験だけの話ではありません。高校受験でもそうですし、日々の定期テストだって言うならば一発勝負。試験というのは全てが一発勝負なのです。

新聞記事によると、「受験生を1点刻みでふるい落とす手段として使われ、基礎学力を測るという当初の目的が薄れているとの批判があった」とあるんですが、ま、確かに当初目的が薄れているかもしれませんが、1点刻みでふるい落とす手段で良いと思うのです。時代とともにその目的や意義は変わるものです。

志望大学に1点足らずに涙をのむ、良いじゃないですか、それも人生。その悔しさを次の年にぶつけてくださいってことです。そもそも、余裕でボーダーラインを超えられる学力を持っていればそんな1点云々はありませよ。新聞に乗ってはいませんでしたが、1発勝負となると、たまたま苦手分野が出たとか、その日体調を崩していて本来の力を出せなかった人の救済策が無いなどという声もありそうですが、運も実力のうち、苦手が出たらボーダーが超えられないような人はそもそもNG、健康管理は学力以前の問題。そういうことだと思います。

制度が変わったからといって、そもそも勉強してこなかった人、学力が不十分な人が上位大学に突然大量に入れるようになるわけではないのですよ。一発試験であるセンター試験でも問題ないでしょ。

■バカロレア方式への批判への反論
これも新聞に『高校関係者からは「到達度テストの勉強に追われ、部活動など学業以外の活動がおろそかになりかねない」との声もあがっている。』とあるんですけど、どこの高校関係者ですかね?こんな事言う高校関係者は日本の教育のために居なくなって欲しいですね。まさかとは思うのですが記者の捏造じゃないですよね?

確かに、おろそかになる学生も出るかもしれませんが、別にバカロレア方式であろうとなかろうと、現在でも定期テストがあって、より上位大学へ進学したいと考える人は、何も高校3年生になってから突然勉強を始めるのではなく、それより前から相応の努力をしているでしょうし、部活動や学業以外の活動と両立しているでしょう。

どういう種類の試験制度になるかはこれからもしれませんが、むしろバカロレア方式になったら人によっては早々に希望する大学の到達点数をクリアしてしまい、その後の高校生活がより充実するかもしれませんよね。

新聞には高校2年生からとなっていまいたが、最低年齢排除してしまうべきではないかと。極論小学生でも受けられるようにして、飛び級制度も一緒に作ってしてしまえば良いとすら思っています。

■予備校・学習塾業界、変わるだろうなぁ
5年後目処にということで、大手を中心に様々なシミュレーションをしながらきたるべき時に備えることになるのでしょうが、これまで30年以上続いた仕組みが変わるってことは業界勢力図が一瞬で塗り変わってしまう可能性すらあります。環境変化に即応した新たな教育サービスが展開できれば、ただでさえ可能性のある学習塾業界に、さらなる可能性を感じてしまうわけです。ワクワクしちゃいますよ。

教育は国の礎、ゆえに国の制度に即して行われることに何の異論もありません。今回の動きに予備校・学習塾業界は抵抗勢力になってはいけないと思います。学習塾は環境の変化に適応していけば良いのです。

この変化で、伸びるであろう分野はぼんやり見えておりますが、ここには書きません。内緒にして虎視眈々と情報収集しておこうと思います。

■本質的な学力を測る試験制度に期待。ついでに制度導入とともに国が大学をランク分けしてしまえ!
バカロレア方式は、最低受験条件っていうやつになるのでしょうね。例えば、東大を受験するためには学力診断試験で90%の正答率が必須とかね。この時、テクニックを身につければ一定水準に達するような試験問題ではなく、本質的な学力を測れるような試験であって欲しいなと。

そのハードルは決して高くなくてよいと思うのですが、制度とあわせて大学を目的やレベルに応じて大学をカテゴリしておいた方が良いと思います。カテゴリAの大学の最低受験条件はこう、カテゴリBの大学の最低受験条件はこうと、複数基準を設けておき、最低ラインの基準でも、最低限の学力が必要としておくべきですよね。分数の計算すら怪しい人を大学生にしては行けません。

そうなると、いわゆるFランと言われる大学は壊滅することになるでしょう。それはそれでマズイとなれば国は新たな高等教育カテゴリを作り、そこにFラン大学を押し込むことをするでしょう。その時、そうした大学は単科大学・職業専門大学的な機関とならざるを得ないかなと。


と、まぁ、この分野に対して思うことや言いたいことはまだまだあるけど、こんなとこで。

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