某D論問題、一時期の大炎上からすると幾分収まった感もありますが、なかなか鎮火となりませんね。
分野は全く違いますが、同じ大学に籍を置く研究の端くれとして、この問題にはイロイロ思うところがあるのです。ただ、問題の根っこがまったく見えないなかで意見を発するのは如何なものかと思い自制していましたが、ちょっと時間が出来たので思っていることを書き連ねてみたいと思います。
この問題、延焼が広範囲に広がってしまっていて、一体何が問題で、何を糾弾しているのか訳がわからない状態になってきていますが、
少なくとも問題となっているD論において、騒ぎすぎ、叩きすぎという印象。
確かに、適切なお作法を守らずコピペをしていたことは、それはそれで問題ではあるけれど、コピペ部分は研究の本質ではないので良いじゃないですか。
それに、それが当人の悪意により行われ当人のみが叩かれてしかりですが、そうした研究者を生み出す構造が
内在するなら、なおさら当人だけが叩きすぎだと思うのです。
この論文コピペ問題、アカデミックな研究論文のイロハを知らない人が相乗りで叩いているように感じがしているんですよね。
自分が説明するまでもないことなのだけど、研究論文というのは、冒頭に概念を整理したり、先行研究をレビューし対象領域の研究状況を明らかにしたうえで、その状況に対し自分の研究テーマ、仮説の位置づけを明確にしていく作業が必要な物なのです。
全体の2割程度が盗用だったというが、それは冒頭の先行研究レビューであったり、概念整理部分であり、研究そのものの部分ではないのです。実験もしていないのに、他人の実験結果をパクってきたという話ではありません。
その冒頭部分においては、先行論文から引用が多くなるので必然的に同じような文章が多くなるのです。彼女の論文においては、その部分において「出典を明らかにする」という初歩の初歩たるお作法を守らずに、意図的なのか意図的ではないのかは知りませんが、結果として自身の文章のようになっていたこと。
これは引用ではなく盗用になるのです。そうしたことは、修論どころか卒論レベルでも指導されることであり、そうさいた指導がされていないのであれば、指導側の責任は重大ですよ。(我が早稲田というのが悲しいところですが)
なんか、その辺りを知らず、研究そのものを他からパクってきたと誤解している人が多そうな気がするのです。
まぁ、「コピペは悪」はわかりやすいネタですからね、メディアもココぞとばかりに叩きまくりますよ。数字が取れれば、紙面が売れれば何でもする人たちですからね。
ということで、「博士論文での盗用」について問題が無いとは言いませんが、ここまで社会全体で叩くほどの問題では無いと思うわけです。全体からいえば些細な問題であると思うわけです。
では今回の論点はどこにあるのかというと、論文において研究結果に意図的な偽装があったのか、そうでないのか。要は成果について嘘をついたのか、ついていないのかということが論点ではないかと。
もし、嘘をついていたとあらば、共同著者全員が非難されるべきで彼女1人が犠牲になることはない。発表をあれだけド派手にしてしまったこともあるけれど、メディアの格好の餌食になってしまていますね。
理研も
「発表した論文には問題がいくつもあるが、成果そのものは揺るぎないと考えている。手順を全公開するとともに、理研としても追試を行い再度論文として発表する」
としてくれればスッキリするのですが、のらりくらりと対応して、方向すら未だ明らかにしていないのが気持ち悪い。
そんな状況ゆえにメディアは踊り狂い、本質を理解しないまま私的制裁を加える輩が大量発生している。さらには、あちらこちらから陰謀論まで出る始末。あ〜気持ち悪い。
真相を明らかに出来ないのは、何か小市民にはうかがい知ることのできない世界の何だかの力が働いているのかもしれないけれどね。当の本人だって、嘘研究成果を発表し、それが明るみになった時にどのような事態になるかは想像できたはず。
想像出来たはずとは思うけど、もしかすると、それが想像出来ないほどバカだったのかもしれない。もしかすると、研究そのものにほとんど関与していなく内容を全く理解出来ていなかったのかもしれない。
いや、もしかすると、理解できていて想像もできていたけれど何か違う力に押し切られて踊らされたのかもしれないし、全てのリスクを承知で本人が踊ったのかもしれない。
と、徒然書きましたが、小生は彼女に悪意は無かったと信じたいところ。
研究者としてのレベルはわからないけれど、優秀で、今回の論文内容が本質に関わることないミスのみで、嘘が無いならば自身の信じる可能性を追い続け今後も研究をしてほしいと願うばかり。ここまで叩かれる状態となると、もはや彼女は被害者ではないかと。
今、この瞬間の彼女の心痛を思うといたたまれない気持ちになります。
いずれにせよ、真相が明らかにならない限り、この問題スッキリしない。でも、思うにこのままスッキリしないままで、世の中が飽きるのを待つことになりそう。
これくらいにして、今後を静観しておきたいと思います。
分野は全く違いますが、同じ大学に籍を置く研究の端くれとして、この問題にはイロイロ思うところがあるのです。ただ、問題の根っこがまったく見えないなかで意見を発するのは如何なものかと思い自制していましたが、ちょっと時間が出来たので思っていることを書き連ねてみたいと思います。
この問題、延焼が広範囲に広がってしまっていて、一体何が問題で、何を糾弾しているのか訳がわからない状態になってきていますが、
少なくとも問題となっているD論において、騒ぎすぎ、叩きすぎという印象。
確かに、適切なお作法を守らずコピペをしていたことは、それはそれで問題ではあるけれど、コピペ部分は研究の本質ではないので良いじゃないですか。
それに、それが当人の悪意により行われ当人のみが叩かれてしかりですが、そうした研究者を生み出す構造が
内在するなら、なおさら当人だけが叩きすぎだと思うのです。
この論文コピペ問題、アカデミックな研究論文のイロハを知らない人が相乗りで叩いているように感じがしているんですよね。
自分が説明するまでもないことなのだけど、研究論文というのは、冒頭に概念を整理したり、先行研究をレビューし対象領域の研究状況を明らかにしたうえで、その状況に対し自分の研究テーマ、仮説の位置づけを明確にしていく作業が必要な物なのです。
全体の2割程度が盗用だったというが、それは冒頭の先行研究レビューであったり、概念整理部分であり、研究そのものの部分ではないのです。実験もしていないのに、他人の実験結果をパクってきたという話ではありません。
その冒頭部分においては、先行論文から引用が多くなるので必然的に同じような文章が多くなるのです。彼女の論文においては、その部分において「出典を明らかにする」という初歩の初歩たるお作法を守らずに、意図的なのか意図的ではないのかは知りませんが、結果として自身の文章のようになっていたこと。
これは引用ではなく盗用になるのです。そうしたことは、修論どころか卒論レベルでも指導されることであり、そうさいた指導がされていないのであれば、指導側の責任は重大ですよ。(我が早稲田というのが悲しいところですが)
なんか、その辺りを知らず、研究そのものを他からパクってきたと誤解している人が多そうな気がするのです。
まぁ、「コピペは悪」はわかりやすいネタですからね、メディアもココぞとばかりに叩きまくりますよ。数字が取れれば、紙面が売れれば何でもする人たちですからね。
ということで、「博士論文での盗用」について問題が無いとは言いませんが、ここまで社会全体で叩くほどの問題では無いと思うわけです。全体からいえば些細な問題であると思うわけです。
では今回の論点はどこにあるのかというと、論文において研究結果に意図的な偽装があったのか、そうでないのか。要は成果について嘘をついたのか、ついていないのかということが論点ではないかと。
もし、嘘をついていたとあらば、共同著者全員が非難されるべきで彼女1人が犠牲になることはない。発表をあれだけド派手にしてしまったこともあるけれど、メディアの格好の餌食になってしまていますね。
理研も
「発表した論文には問題がいくつもあるが、成果そのものは揺るぎないと考えている。手順を全公開するとともに、理研としても追試を行い再度論文として発表する」
としてくれればスッキリするのですが、のらりくらりと対応して、方向すら未だ明らかにしていないのが気持ち悪い。
そんな状況ゆえにメディアは踊り狂い、本質を理解しないまま私的制裁を加える輩が大量発生している。さらには、あちらこちらから陰謀論まで出る始末。あ〜気持ち悪い。
真相を明らかに出来ないのは、何か小市民にはうかがい知ることのできない世界の何だかの力が働いているのかもしれないけれどね。当の本人だって、嘘研究成果を発表し、それが明るみになった時にどのような事態になるかは想像できたはず。
想像出来たはずとは思うけど、もしかすると、それが想像出来ないほどバカだったのかもしれない。もしかすると、研究そのものにほとんど関与していなく内容を全く理解出来ていなかったのかもしれない。
いや、もしかすると、理解できていて想像もできていたけれど何か違う力に押し切られて踊らされたのかもしれないし、全てのリスクを承知で本人が踊ったのかもしれない。
と、徒然書きましたが、小生は彼女に悪意は無かったと信じたいところ。
研究者としてのレベルはわからないけれど、優秀で、今回の論文内容が本質に関わることないミスのみで、嘘が無いならば自身の信じる可能性を追い続け今後も研究をしてほしいと願うばかり。ここまで叩かれる状態となると、もはや彼女は被害者ではないかと。
今、この瞬間の彼女の心痛を思うといたたまれない気持ちになります。
いずれにせよ、真相が明らかにならない限り、この問題スッキリしない。でも、思うにこのままスッキリしないままで、世の中が飽きるのを待つことになりそう。
これくらいにして、今後を静観しておきたいと思います。
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