糞アニメについて考えてみる取り組み、「糞アニメ考」の続きです。

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■糞アニメに関するネット界隈での議論
 
 「糞アニメ」という言葉の定義は不明確ではあるものの、アニメ評価に関しては一般的に使用されており、ネット界隈でも「糞アニメ」というキーワードで多くの議論がされています。

 その議論は大きく2つに分類され、1つは「糞アニメ」作品選定議論、そしてもう1つが「糞アニメ」の定義議論。いくつかの議論を俯瞰してみると、作品選定、定義、いずれの議論も、各人の「好き嫌い」「面白いと思う思わない」議論が大半ではあるものの、いきつくところ糞アニメとする視点は、ニコニコ大百科にて取り上げられている下記の糞アニメの特徴4点として良さそうです。

1) 作画崩壊などの視覚的問題
2) シナリオや構成、演出などの内容的問題
3) いわゆる原作レイプなどの改変的問題
4) 事前の期待と異なる物が出てきたなどの情報の相違による問題

となると、この4点が「糞アニメ」の定義項目となりえるのか、考察が必要となるわけです。

※参考

糞アニメ見たい気分だから糞アニメ教えろ : 萌えアニ

今世紀最糞アニメは - 秒速2chニュース

お前らの良いアニメ・糞アニメの基準ってどんな?

結構ガチな糞アニメ : マンアニ萌えNEWS 

2010年以降で良質糞アニメをクールごとに紹介していく

 
■「糞アニメ」定義に向けた考察

定義にむけニコニコ大百科で糞アニメの特徴としている下記の4点について、考察をしていきたいと思います。

1) 作画崩壊などの視覚的問題
 確かに、作画が崩壊して見るに堪えない作品は「糞」と評するに値すると思います。でも、その崩壊は大概は放映中相対的に一時期、もしくは一部分で見られる現象であり、それを捉え、その作品を「糞アニメ」と評することには疑問が残ります。糞アニメみられる特徴としては良いでしょうが、定義として「作画崩壊している」を加えるべきではないと考えることができます。
※作品全体を通じて崩壊していると感じるのはその作品の作風と捉えることができるでしょう。
 
2) シナリオや構成、演出などの内容的問題
 脚本、構成、演出の良し悪しはアニメ作品の評価に大きな影響を与えることに議論の余地はありません。脚本、構成、演出が「糞」であるモノが「糞アニメ」と評され、それが定義としても良さそうな気がします。しかし、それらが「糞」であるかの評価は極めて属人的になります。評価尺度もありません。どこまで言っても相対的。となると、尺度をもって糞アニメを定義することは難しそうです。

3) いわゆる原作レイプなどの改変的問題
 原作から大幅に改変された作品、原作の良さが無くなってしまった作品を「糞アニメ」と評したい人の気持ちはわかりますが、それは原作を知っている人のみが評することが出来る視点です。実際、原作を軸足を置いた評価ではさほど評価が高くないにも関わらず、原作を全く知らずに評すると非常に評価が高い場合もあります。評価する人のバックグラウンドに左右されてしまうアニメ評価ではなく、「アニメ作品そのもの」の評価であるべきですね。となると、「原作からの改変」を糞アニメの定義には適切ではないように思われます。

4) 事前の期待と異なる物が出てきたなどの情報の相違による問題
 事前宣伝により、大きな期待感をもちながら、実際の期待を裏切るような作品だった場合、がっかりしますし、その作品に対し「糞」と思う気持ちは確かに理解できます。が、事前の期待値とのギャップがあるものを「糞アニメ」と定義するには無理があるように思います。個々人の期待値を基準にしてしまうことは、属人的な定義そのものです。同一作品であっても、事前期待値が高くギャップが大きい場合「糞アニメ」となり、期待値が低ければギャップも小さくなり「糞アニメ」ではないということになってしまいます。

 と、ここまでニコニコ大百科にある糞アニメに関する4つの特徴に対する考察をしてみましたが、糞アニメの定義に近づくところか、「結局、個人的主観の問題」であり定義なんぞそもそも無理なのではないか?という気がしてきてしまいました。

 この「糞アニメ考」どうやって着地させたらよいのでしょうか?また、徒然思いを巡らしながら、少しまとまった段階で続きを書きたいと思います。

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