研究ノート(大学教員の徒然)

なかたにじゅんいちの個人ブログです。

カテゴリ:大学教員の徒然 > 博士課程日記

アニメネタばかりでなく、今後はちゃんと研究ネタもBlogに書いていこうということで、先日掲載された抄訳論文を紹介したいと思います。

日本マーケティング学会の機関誌「マーケティング・ジャーナル」137号(2015年7月発行)に抄訳論文を掲載いただきました。

久しぶりの英語論文、完全にアタマが鈍っていて苦労しましたが、非常に良い論文で掲載されて満足であります。

早稲田大学の商学研究科博士後期課程の学生として受けた抄訳ですが、折角なので関東学園大学の肩書も入れさせてもらいました。

mj

原典は、マーケティングジャーナル2013年に掲載された下記の論文。
Landwehr J.R., Wentzel D., & Herrmann A.
Product design for the long run: Consumer responses to typical and atypical designs at different stages of exposure
Journal of Marketing Vol.77(September 2013), 92-107
論文内容をざっくりと言うと「一瞬『え!?』と思うようなデザインでも、何度も見てると気にならなくなり『無難なデザイン』よりも売れる可能性があるよ!」という内容です。

学会会員向けのジャーナルであり、全文こちらに転載して良いのか分かりませんので、要約部分のみ転載しておきたいと思います。何かのお役に立てば幸いです。

■論文タイトル
ロングランのための製品デザイン:製品デザインの典型性が消費者の反応に及ぼす影響
 ■要約
製品デザインに関する既存研究では、デザインの典型性が消費者の感じる審美的好みを左右する重要な要因であることを示している。一般的に、消費者は製品デザインに複数回接した後に購買意思決定を下すことが多いが、これまでの多くの研究は、消費者が1度だけ製品デザインに接した後の反応を測定している。そこで本研究では、製品デザインの典型性が消費者の反応に与える影響について、製品に接する回数を考慮し、自動車業界を題材として3つの実験を行っている。実験1では、典型的な自動車デザインに対する審美的好みは、接する回数が少ない方が高い評価が得られた。その一方で非典型的な自動車デザインに対する審美的好みは、接する回数が多い方が高い評価が得られた。実験2では、実際の販売データを使用し、デザインの典型性と接する回数の交互作用が販売に対し影響を及ぼすことが示された。これは非典型的なデザインの車が、長い目で見て成功する可能性を示している。実験3では、デザインの典型性と接する回数の交互作用が消費者の感じる審美的好みに影響を与えることが示された。

■キーワード
製品デザイン 審美的好み デザインの典型性 処理流暢性  露出度 自動車販売

詳細については、ジャーナル本誌をご参照ください。
マーケティングジャーナルは、日本マーケティング学会のホームページより入手できます。
https://www.j-mac.or.jp/mj/ 


このエントリーをはてなブックマークに追加


 恩蔵ゼミは月曜日午前中に開催されます。
 商学研究科の修士課程と博士課程の学生が一緒です。
 
 ※ コンテンツとしての価値は殆どありません。
   自分の為にゼミ中のメモをそのまま公開している状態です。

◆その研究にユニーク性はあるか?
 
 ・ 研究分野を選定するにあたり、「研究が少ない分野」を見つけると「この分野の研究は価値があるかもしれない」と考えることもできるが、「その分野の研究は価値がない」から研究がされていないという可能性もある。

 ・ 業界に特化した研究は今日において研究としては無価値となる可能性がある。
 ・ 昔は「◯◯業界」に分かれた「研究」があったが、今は一部を残して無くなっている。EX) 銀行論

◆尺度が一般化されているか?

 ・ 大切なこと。一般化されていないなら尺度開発そのものが研究対象となる。

 
◆「ハマる」を研究


  ・ 人・モノ・場所・・・ 
人は何故「ハマる」のか。ハマる構造が明らかになると凄いぞ。

◆「稀少性」に関する研究

 ・ 何を明らかにするかはさておき、このテーマは面白いかも。
 ・ 実務の世界では今が旬。 時間と数の制限 > フラッシュマーケティング。
 ・ 価格・数量・場所・時間

 そういえば、以前サントリーが山崎の50年を限定50本で100万円で売りだして一瞬で売り切ったっていう事例があったな。

◆コモディティの3つの要素 

 実用性、譲渡可能性、所有可能性

◆入手困難性の原因

 1)供給数・サプライヤーの数が限られている。
 2)購入あるいは供給の際に必要なコスト
 3)所有に制限がある
 4)供給に遅れが出る

◆Cause-Relate MarketingはCRMって略されるのね。

 日本においてCRMは定着するのかな。
 震災後、義捐金付き商品が世の中に氾濫しているけれど消費者はどう見てるのかな。

◆要チェック


 Hamzaoui,Leila and Merunka,Dwight(2007), "Consumers' product evaluations in emerging markets; Does country of design, country of manufacture, or brand image matter?" international arketing Review, 24(4), 409-426


そろそろ研究始めないと。
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ