研究ノート(大学教員の徒然)

なかたにじゅんいちの個人ブログです。

カテゴリ:マンガ・アニメ・サブカル系 > アニメに対する学問的探求

先日、天下の公共放送NHK様より、驚くべき発表がありました。

その発表とは、これです。

「ラブライブ!」放送決定! - NHKオンライン 


2016年1月2日(土)からということは、土曜日のEテレアニメ枠、17時半からですね。

lovelive

主要ニュースでも取り上げられていました。

人気アニメ「ラブライブ!」、NHKが異例の再放送 来年1月から 
産経ニュース 

ラブライブが、アニオタ界隈にて一部から熱狂的な支持を集めていることは承知しておりますが、それはそうした対象にジャストミートする作品であり、子どもたち向け時間帯である17時半から放映するに相応しい作品なのでしょうか?内容にエロや暴力と言ったR指定要素はなく、子どもたちが観ても充分楽しめるとは思いますが...。

キッカケは製作委員会からのプッシュだったのか、局内で企画があがったのか経緯は知りませんが、いずれにしてもNHK局内、本企画決定に関与できるラブライバーがいたとしか思えないのです。

いったいラブライブは何処を目指しているのでしょうか。
そう言えば、こんな記事も書いたことがありました。

ちなみに深夜アニメをNHKにて再放送した前例はあります。

シュールギャグ系日常系である「日常」ですね。ただし24話で放映されたものを12話に再編成しての放送でした。

日常 DVD-BOX コンプリート版
本多真梨子
角川書店
2013-07-26


NHKで放送されるということは、有無も言わさず全国放送。本放送から月日が経過してから、NHK様が再放送してくれるなんて製作委員会としては、コレほど美味しいことはありません。

考え方によっては、これは相互にとってメリットのある話かと思います。アニメ製作委員会側にとってNHKで再放送が旨味があることは当然として、NHK側にとっても普段NHKを観ない層を取り込むことが出来る。

度が過ぎると、叩く人たちが発生するでしょうが、現在も放送しているNHK教育のアニメ枠で積極的に民放で放送した深夜アニメ作品を再放送したら、NHKの受信料納付率も上がるのではないでしょうかね。

NHKで放送しても良いんじゃないかと思う深夜アニメ作品も多数ありますし。

例えば... と書き出すと切りがなくなるので、本日はこの辺で。 

今更なネタではあるのですが、知り合いからのお誘いを受けまして昨年末のコミケにて販売された同人誌にアニメに関するネタを寄稿したのです。

お誘いいただいたのは、WWFというサークルの方から。最初の同人誌が1984年と相当に歴史あるサークルで、サークルの皆さんもお医者様や大学教授など、それぞれの分野の第一人者ばかり。

WWFのホームページはこちら
http://www.yk.rim.or.jp/~h_okuda/wwf/index.htm
 
その51号に「日常アニメの再定義と作品差別化のこれまでとこれから」というタイトルにて掲載いただきました。内容はマーケティングの観点から日常系アニメをレビューしたものです。

著作権は小生にあるはずなので、全文転記しても問題ないとは思うのですが、同人誌を現在も通販していることを考慮して、ざっくりどんな内容であるかだけに留めておきたいと思います。

いわゆる日常系アニメを再定義して、「あずまんが大王」以降2014年までの主要な作品がどのような差別化を行ってきたかを整理してみました。

整理に際し、ポジショニングマップを作成してみたので、それは貼り付けておきたいと思います。

nichijoanimepositioning

今回の整理では、登場人物と舞台設定の二軸にて行ってきました。深夜アニメではないので、マッピングからは除外しましたが、広義の日常系アニメとして類される「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」などは、上記マップ上で右上にポジションされます。

日常はまだ1期のみですが、ひだまりスケッチ、みなみけは既に3期4期と継続しています。サザエさん、ちびまる子ちゃん、クレヨンしんちゃんもアニメとしては超長寿作品となっています。こうした視点から考えると、日常系アニメを長寿化させるポイントは、登場人物、舞台設定を拡張することにあるのでは?ということを書き連ねています。

と、結局今回もアニメネタです。 はい。 

参考文献の1冊は以下です。


 


大学の教員持ち回りでブログにニュース解説記事を書くことになっておりまして、先日その任が回ってまいりました。初めは一般消費財におけるマーケティングネタを書いていたのですが、「ラブライブ!」の三週連続週末動員数1位のことがニュースになりネット界隈で話題になっていたので、「大学の公式ブログでどうなの?」という思いを振りきって記事にしてみました。

内容はこちら↓
映画「ラブライブ!」の大ヒットから「特典商法」について考える
http://blog.kanto-gakuen.ac.jp/news/2015/07/post-9ce5.html

一応、大学公式ブログなので当たり障りなく書いたので、若干消化不良感があるので、書ききれなかったことを「完全に私的かつオタクブログ化している」こちらに追記しておこうかと。

■「特典商法」に対して批判している人が少なく無いですよね?
 
批判するは自由です。 勝手に批判していればよろしいのです。基本そう思います。

ただ特典商法そのものを批判している人も少なくないようですが、そのものを批判してしまったら世の中の商売の大半を批判しなければなりません。

特典商法は真っ当な販促手法です。

ただ少しラブライブ!を始めとしたアニメ映画の特典商法は度が過ぎている感があり、そのことに対して疑問を呈するのであれば、多少の議論の余地はあります。

しかし、批判している人の多くはそうした思考ではなく、どうも「アニオタ気持ち悪い」という視点で叩いているように感じられるのです。

叩くことで悦に入りたいならそれはそれで止めませんけどね。

■ラブライブ!が「週末観客動員数で3週連続首位になった。それだけです。

「あんなのエゲツない特典手法で1位を取るなんて意味が無い」などという人もいるようですが、映画の週末興行成績ランキングは、映画館に「動員した観客数」で作られるものです。純粋に「動員した観客数」のみでランキングする、それだけです。そういうルールなのです。

そのルールの下で、ラブライブ!が「週末観客動員数で3週連続首位になった。それだけです。

別にオリンピック競技ではないのですよ。そもそも、映画のジャンル、製作費、公開スクリーン数や、販促手法など全て異なるのです。

批判する人に聞いてみたいですね、「ではどういうランキングなら満足なのですか?」と。仮に特典商法が禁止された映画ランキングとなれば、そうした批判をする人たちは次は「あんなに広告費を使ってエゲツナイ!」と言うのではないでしょうかね。

ラブライブ!は他の邦画洋画に比べ、製作費も公開スクリーン数も広告費も少ないなかで週末だけとは言え観客動員数で首位に立ったことを素直に受け入れ、そこにマーケティングエクセレンスを見出すべきだと思うわけです。

■「映画が衰退する」という批判をする人もいるようです。

そんなことは、消費者が決めることです。

「映画はかくあるべし」と頭の固い人たち、自分たちの価値観を押し付けようとする人が多いほうが衰退する危険があると思いますよ。それは歴史が証明してくれています。

記事にも書きましたが、そうした受け入れている消費者は、映画を特典を含めて楽しんでいるようなので、それで良いではないですか。特典商法が行き過ぎ、消費者が受け入れなくなれば自然と減ってきますよ。ただ今は受け入れられているということです。


昔の尺度で比較することに執着する、新しい流れに脊髄反射的に批判をする、そんな風にはなりたくないですね、ということで、ここまでネタにしたからには、作品にそれほど興味はないのですが、自分も劇場版「ラブライブ!」観ておかないとイカンですかねぇ。

劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』挿入歌 「SUNNY DAY SONG/?←HEARTBEAT」
絢瀬絵里(南條愛乃)・東條希(楠田亜衣奈)・矢澤にこ(徳井青空) μ’s
ランティス
2015-07-08





「なかたにくん、これ興味あるんじゃないの?」

と教えてくれたのが、

明治大学「マンガ・アニメ・ゲーム論」講座

gaccoというオンライン教育サービス内で開講されている講座でした。

gaccoとは:
http://gacco.org/about.html

教えていただいた講座はもちろんですが、他にもなかなか興味をそそられる講座が開講されております。会員登録さえすれば無料で受講できるのです。

講座一覧:
http://gacco.org/list.html

こんな本格的な講座が、なんで無料で提供出来るんでしょ?
どこが運営していて、どんなビジネスモデルなんでしょ?

と気になるところですが、NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが共同で推進している実証実験的なサービスでした。
本サービスは、NTTドコモ社とNTTナレッジ・スクウェア社が共同で推進しているgaccoプロジェクトにより、NTTナレッジ・スクウェア社が提供しているものです。

gaccoプロジェクトは、JMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)およびFLIT(反転学習社会連携講座)との連携により、オープンなオンライン教育環境の実現に必要な本格的な基盤サービスの提供を通じて、受講生にとって付加価値が高い新たな学習モデルを開発することを目指しています
で、実際に「アニメ・マンガ・ゲーム論」を受講することにし、第1講を受講してみたのですが、これがなかなか良いわけです。内容もさることながら簡単なレポート提出があるのですが、それを相互採点する仕組みがよく出来ております。

こういう教育の仕組みはどんどん広がって欲しいですね。

ということで、アニメ・マンガ・ゲーム論のプロモーション動画をどうぞ。
講座は3月までで、今からでも受講可能です。

 



糞アニメについて考えてみる取り組み、「糞アニメ考」の続きです。

aho
 
■糞アニメに関するネット界隈での議論
 
 「糞アニメ」という言葉の定義は不明確ではあるものの、アニメ評価に関しては一般的に使用されており、ネット界隈でも「糞アニメ」というキーワードで多くの議論がされています。

 その議論は大きく2つに分類され、1つは「糞アニメ」作品選定議論、そしてもう1つが「糞アニメ」の定義議論。いくつかの議論を俯瞰してみると、作品選定、定義、いずれの議論も、各人の「好き嫌い」「面白いと思う思わない」議論が大半ではあるものの、いきつくところ糞アニメとする視点は、ニコニコ大百科にて取り上げられている下記の糞アニメの特徴4点として良さそうです。

1) 作画崩壊などの視覚的問題
2) シナリオや構成、演出などの内容的問題
3) いわゆる原作レイプなどの改変的問題
4) 事前の期待と異なる物が出てきたなどの情報の相違による問題

となると、この4点が「糞アニメ」の定義項目となりえるのか、考察が必要となるわけです。

※参考

糞アニメ見たい気分だから糞アニメ教えろ : 萌えアニ

今世紀最糞アニメは - 秒速2chニュース

お前らの良いアニメ・糞アニメの基準ってどんな?

結構ガチな糞アニメ : マンアニ萌えNEWS 

2010年以降で良質糞アニメをクールごとに紹介していく

 
■「糞アニメ」定義に向けた考察

定義にむけニコニコ大百科で糞アニメの特徴としている下記の4点について、考察をしていきたいと思います。

1) 作画崩壊などの視覚的問題
 確かに、作画が崩壊して見るに堪えない作品は「糞」と評するに値すると思います。でも、その崩壊は大概は放映中相対的に一時期、もしくは一部分で見られる現象であり、それを捉え、その作品を「糞アニメ」と評することには疑問が残ります。糞アニメみられる特徴としては良いでしょうが、定義として「作画崩壊している」を加えるべきではないと考えることができます。
※作品全体を通じて崩壊していると感じるのはその作品の作風と捉えることができるでしょう。
 
2) シナリオや構成、演出などの内容的問題
 脚本、構成、演出の良し悪しはアニメ作品の評価に大きな影響を与えることに議論の余地はありません。脚本、構成、演出が「糞」であるモノが「糞アニメ」と評され、それが定義としても良さそうな気がします。しかし、それらが「糞」であるかの評価は極めて属人的になります。評価尺度もありません。どこまで言っても相対的。となると、尺度をもって糞アニメを定義することは難しそうです。

3) いわゆる原作レイプなどの改変的問題
 原作から大幅に改変された作品、原作の良さが無くなってしまった作品を「糞アニメ」と評したい人の気持ちはわかりますが、それは原作を知っている人のみが評することが出来る視点です。実際、原作を軸足を置いた評価ではさほど評価が高くないにも関わらず、原作を全く知らずに評すると非常に評価が高い場合もあります。評価する人のバックグラウンドに左右されてしまうアニメ評価ではなく、「アニメ作品そのもの」の評価であるべきですね。となると、「原作からの改変」を糞アニメの定義には適切ではないように思われます。

4) 事前の期待と異なる物が出てきたなどの情報の相違による問題
 事前宣伝により、大きな期待感をもちながら、実際の期待を裏切るような作品だった場合、がっかりしますし、その作品に対し「糞」と思う気持ちは確かに理解できます。が、事前の期待値とのギャップがあるものを「糞アニメ」と定義するには無理があるように思います。個々人の期待値を基準にしてしまうことは、属人的な定義そのものです。同一作品であっても、事前期待値が高くギャップが大きい場合「糞アニメ」となり、期待値が低ければギャップも小さくなり「糞アニメ」ではないということになってしまいます。

 と、ここまでニコニコ大百科にある糞アニメに関する4つの特徴に対する考察をしてみましたが、糞アニメの定義に近づくところか、「結局、個人的主観の問題」であり定義なんぞそもそも無理なのではないか?という気がしてきてしまいました。

 この「糞アニメ考」どうやって着地させたらよいのでしょうか?また、徒然思いを巡らしながら、少しまとまった段階で続きを書きたいと思います。


 「糞アニメ」とは何ぞ?しばらく前から頭の中でぐるぐる考え整理してみたことを書き綴ります。

kusoanime


■アニメ批評を観るのもアニメを楽しむ方法の1つ

 アニメを観ていると、そのアニメに対する他の人の感想なり評価なりを知りたくなるわけです。アニメに限らず、エンタメ系は他者評価を見聞きするのも楽しみ方の1つですよね。

 アニメに関しても、ネット中心に個人的な感想を記したブログや、作品ごとに感想などを交換する掲示板など多数存在し、自身も一話見終わる毎にそうしたサイトに目を通してます。そうしたモノを読んでいて常々思うのが、ブログは個人的な感想としてそれはそれで良いのですが、匿名掲示板における評価に関する議論は酷いものが多いですね。

 例えば、「面白い」「面白くない」の対立議論。んなもん、個人の主観や趣向性によるところであり、評価なんぞどこまで言っても相対論であり絶対論で語ることなんぞ出来るわけ無いのですが、建設的な議論は新しい気づきを得られることもありとてもおもしろいわけです。

 しかし、そうした議論は少なく、多くは、いわゆる「信者」と言われる人同士の、脳みそ沸騰してしまっているような焦点が定まらない論戦。そんなものには、目も当てられないわけです。 ※アニメ批評の決まった型が確立しているわけでもなく、どこまでいってもサブカルなので、何の利害関係の無い同士が匿名で好きなことを言い合うっている様子を生温かく見守るのもそれはそれで良いのですけどね。

 アニメ批評については、また機会あらためて考察するとして、今回はネット上で頻繁に使われる「糞アニメ」という言葉に焦点をあて、特にその定義について考えてみようと思います。

■糞アニメとは何か?(定義の探求)

 そもそも「糞アニメ」というのは何であるのか?まずは定義について探求してみたいと思います。「糞」というくらいですから、そう評価する人に取って当該アニメは面白くないという評価なのでしょうが、単に「面白くない」ならば、自然と観るのを辞めてしまうところですが、「糞アニメ」と評するということは、当該作品については見続けている可能性が高く、単に「糞アニメ」=「面白くないアニメ」とするのは少し違うように思います。

 とりあえず、既存の定義を確認してみます。Google先生に伺ってみると、ニコニコ大百科が「クソアニメ」として下記の通りにまとめています。
注意あなたがそうだと思うものがクソアニメです。ただし、他人の同意を得られるとは限りません。

クソアニメとはクソなアニメ・つまらないアニメという意味である。

概要
面白いと感じるアニメには個人差があるので一概には語れないが、それでも多くの人が「クソ」と感じるアニメは存在する。

クソアニメの特徴としては

・作画崩壊などの視覚的問題
・シナリオや構成、演出などの内容的問題
・いわゆる原作レイプなどの改変的問題
・事前の期待と異なる物が出てきたなどの情報の相違による問題
などが挙げられ、その原因として考えられるのは

・アニメーター不足などの人材的事情
・粗製乱造やそれに伴う納期が短さ等の時間的事情
・製作者との感性の違い
・そもそも原作がアニメ化に向いていないといった作品その物の事情
などが挙げられる。

しかし、基本的に作品評価という物はそれぞれの主観その物である。どんな要素であろうともその人にとって否定したい作品はクソアニメ扱い出来るのである。特定のアニメをクソアニメに認定するのは普通に面白いと思っている視聴者との対立などからほぼ確実に荒れる原因になるので要注意である。

最近ではクソアニメをクソアニメとして評価しようという動きも一応現れている→神クソアニメ

ただし、根本的に荒れる要素であるのは変わりないため「クソゲー」と違い2013年現在ネット上で「クソアニメオブザイヤー」のような物を作ろうという大きい動きはない。

出典: クソアニメとは (クソアニメとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


 うん、大変良く解説されているように思います。ただ、定義という点ではクソアニメの意味として「クソなアニメ、つまらないアニメ」となっているため、もう少し突っ込んだ考察が必要に思います。そもそも「クソアニメ」を「クソなアニメ」としては、そもそも何も定義になっていません。「つまらないアニメ」 とすると、「つまらないアニメ」とは何か?を定義する必要性があり、やはり「クソアニメ」の定義としては物足りません。

やはり、糞アニメ(クソアニメ)についての定義を探求しておく必要があるようです。

ということで、今回はこれくらいで、気が向いた頃に続きを書きたいと思います。

アホみたいにアニメを観ていますが、アニメという領域はまだまだ学問的に未開拓領域であり、折角なので、いつの日かマーケティングの研究と合わせ技で領域を確立できないかと常に思いながら観ております。(なんとなく言い訳くさいですね)

Academic


と、そんな事を言っているだけではアレなので、昨年、一度業界全体を俯瞰すべく数冊本を読みました。その内容は以下で紹介しておりますので、ご興味のあるかたは是非どうぞ。

[アニメの勉強] 津堅信之著:アニメーション学入門(その1)

[アニメの勉強] 津堅信之著:アニメーション学入門(その2)
 

[アニメの勉強] 津堅信之著:アニメーション学入門(その3)

[アニメの勉強] 津堅信之著:アニメーション学入門(その4)
 

[アニメの勉強] 増田弘道著:アニメビジネスがわかる/もっとわかるアニメビジネス 

[アニメの勉強] 日本におけるアニメ市場の成長要因

[アニメの勉強] アニメと音楽(要はアニソンについて)


上記エントリーからちょうど1年程度が経過するということで、知識を補強すべく新たな本を入手してまいりました。
まだこれから読む本ですが、とりあえず紹介しておきます。







エヴァンゲリオン極限心理分析
速水栄&サーフライダー21
彩流社
2010-08-20







続きを読む

毘沙門天


 サブカル師匠に「ノラガミ」は面白いと推奨され視聴しているのですが、序盤まで観ていてもイマイチ入り込めない、つまり「面白いと思えない」という状況が続いておりました。しかし、その思いは原作漫画を読んだことで一変し、次話以降が相当楽しみな状況であります。

自身は、基本アニメオンリー派で、一部例外を除きほとんど原作には手をつけきていません。それは、漫画は「ながら読み」ができず時間を食うことが主たる理由ですが、原作を知ってしまうと、アニメ化の際の構成、脚本の良し悪し、オリジナル要素や改変が気になってしまい、純粋な気持ちで楽しめなくなるという側面が大きいように思っています。

ようは、原作と比較してアニメを評価してしまうのが嫌だということです。あくまでもアニメはアニメ、原作は原作なのです。

なのですが、そのサブカル師匠宅へ遊びに行った際に、ついウッカリ手を出してしまいまして、アッサリ陥落し全巻借りてしまったわけです。そして、一気読み。

サブカル師匠が「アニメは原作の面白さが出ていない」といった主旨のコメントをされていたのですが、自分も同様の感想を持ちました。

原作があるアニメ作品は、常にこうした評価にさらされるのでしょうね。監督を始めとしたスタッフの力量が試されるところ。アニメと漫画、媒体が異なるわけで、一律に比較は出来ませんが、「アニメの方が原作よりも面白い!」という評価がアニメを作る側にとっては一番の評価になるのでしょう。

経験則的にギャグ漫画や4コマ漫画原作なんかは、比較的アニメの方が評価が良くなる傾向があり、世界観の深い理解に細部描写が必要な物語性の高い原作は評価が別れる傾向にありそうです。

こうした事象が発生することはアニメに限らずドラマ、映画、音楽など、原作や元作品がある物の宿命。評価にさらされること自体は悪いことではないと思うのですが、そもそもの違いを受け入れず、いわゆる原作厨の輩がアニメをフルボッコしている様は痛々しく見るに耐えませんね。多くは評価ではなく、私的制裁を加える事による自己満足、自己肯定でしかないわけです。

先日、山下達郎がラジオ番組で指摘していた「自分史の反映としての芸事の評価」と同じ話ですね。

と、このテーマはもっと哲学的に深く考察できると思うのですが、そうした力量はないのでこの辺で終わり。

要は原作を読み、これから登場する毘沙門天さんがド・ストライクであり、しかもCVが沢城みゆきさんということを知ってしまった以上、継続しない理由はないということです。そして、今後は原作とアニメの違いも意識していきたいと思う次第です。





【6月5日】 考えながら書く内容の為、今後追記修正していく可能性が大いにあります。「こんな視点もあるんじゃないの?」というご意見等ありましたらコメントいただけたら嬉しいです。

--本文--

■はじめに
豊作の2012年春アニメ、当初対象外としていた「はたらく魔王さま!」を5話くらいから追加したため、現在週20
本視聴という廃人っぷりです。

そんな廃人に対し「今期は何が面白い?」という類の質問を時折受けるのですが、「面白く無いのは3話で切ってるから、今継続しているのは全て面白い」としか答えようが無いところなのです。でも、ふと、この「面白い」とはどういう指標でそう評価しているのか考えてみたくなったわけです。

アニメに対する「面白い」「面白くない」は極めて個人の主観であり、「どのアニメが面白い?」と聞くのは「どのスポーツが面白い?」と聞くに等しいことですよね。スポーツであれば、野球はや野球の面白さがあり、サッカーはサッカーの面白さがある。野球とサッカー、いずれもスポーツですが、どちらが面白いかはその人次第。評価する人がスポーツに何を求め、何を面白いと思うか次第なわけです。

つまりアニメもスポーツも、「面白い・面白くない」という点の絶対的評価指標は設定出来ないということですよね。あえて言うなら「好き嫌い」。そのアニメが「面白い」と思うことはすなわちそのアニメが「好き」ということです。
 
その人が「好きなアニメ」を聴くなら答えやすい。しかしながら、「好きではないけれど、面白い」という作品が存在するのも確か。

ということで、前置きが長くなりましたが、要は「面白い」という要素を整理しながら、行き着く先に「アニメの普遍的な評価分析手法」は作れないものか?ということを考えてみるものです。

■アニメに対する評価指標と手法

アニメの評価を決める指標は公式に定まったものは存在しないところですが、一般的には、キャラクター、ストーリー(原作)、作画の3つが代表的指標とされていますかね。これに加えて、シリーズ構成、演出、音楽、声優などの指標で評価する人もいますね。それぞれ独立変数ではあるのですが、それぞれの変数の相互バランスも評価に対しては重要になるかと。世界観も指標になるような気もしますね。でも、これはストーリーに含まれるかな。

要は、アニメと言うものを要素分解すればよろしいということになりますか。これは一度ガッツリやっておいたほうが良さそうです。

分解出来たら、満足に対する因子分析をしてみれば良いかな。アニメ構成要素いずれが満足度につながるのか。これは、満足度だけでなく、円盤の売上に対する因子探しもそれはそれで良さそう。

当然、満足度は、同じ作品であっても、評価する人の属性により結果が異なり、それぞれにおいて因子を明らかにしておくべきですよね。それと、ここまで書いてみて、大学院時代に、統計分析やら顧客満足度調査や、評価モデル構築について、もう少ししっかり勉強をしておくべきだったと後悔していたりします。(アニメがきっかけってのは、どうなのかとは思いますが)

「どういう属性の人が、どういったアニメに満足するか」

は、データさえあれば統計的に明らかにできるな。それにしても、この手のアニメに対する研究は既にあってよさそうな気がするんですが、どうなんでしょうね。調べた限りでは見つからないんですよね。

調査から、視聴率や円盤の売上まで予測が出来たら良いですよね。これも多分、ある程度できますね。

いずれせよ、きちんと分析できれば、「ヒットするアニメ」は狙って作れるということになりますか。話が、アニメ作品の評価手法から外れてきていますが気にせず突き進みます。

■調査実施の際の懸案

 商品やサービスに対する満足度調査は、その商品なりサービスを経験している人を対象にするわけで、経験をしてみて、満足したか不満足だったかを測るわけですが、アニメの場合は、面白くないと思うと視聴を辞めてしまうので、不満足だった人のサンプルを集めるのが難しいだろうなと。

 見続ける=その作品に対して好意的な態度をとっている、と言えるわけで、そうした人のみで構成される調査は、結局、アニメごとのコアターゲット層を明らかにするまでの結果にしかならない。ま、それでも価値はあると思いますが。

 できれば、初めから見るつもりが無かった作品、3話程度で離脱してしまった作品、最後まで観てしまった作品を明らかにして、それぞれに対する評価を確認する作業をしてみたいところ。

 ターゲットゾーンをどこまで広げることが出来るか?を考えるうえで有益なデータになると思うのですよね。ヒロすぎても狭くしすぎてもリスクがあるわけで。

 前期(2013年冬アニメ)でいうなら、ビビッドレッド・オペレーションは確実に狙いに行ってましたよね。今期(2013年春アニメ)においては、進撃の巨人が大ヒットしている感じ。これはそもそもの原作が良いところに、作画も秀逸、キャラクターもあえて原作に忠実に作らずアニメ好きにウケるキャラクターにしている。OPも秀逸、演出、構成も悪くないとあればヒットしないわけがないのですよね。

 何やら、ここまで書き綴って何を書いているのか解らなくなってきました。なんでこんなこと書いているのかというと、マーケティング視点からオリジナルアニメを作ってみてどこまで成功させることが出来るかいつかチャレンジしてみたいなぁと思っているのです。
 
 そんなところで。

今回も以下の2冊から。

アニメビジネスがわかるアニメビジネスがわかる [単行本]
著者:増田 弘道
出版:NTT出版
(2007-07)
もっとわかるアニメビジネスもっとわかるアニメビジネス [単行本]
著者:増田 弘道
出版:エヌティティ出版
(2011-08-31)

番組内容と主題歌の分離。アニメのタイトルが歌詞の中に出てこなくなったということがあるが、要はアニメのOP・EDが楽曲宣伝の場となるプロモーションウィンドウ化したということで、それが明確になったのは1983年の「キャッツ・アイ」からであろう。
元来、アニメで使用される音楽は主題歌・BGMともアニメの製作会社が所有するものであった。音楽制作費はレコード会社が立て替えてレコードの印税で相殺するというシステムであり、アニメの製作会社は原盤制作費のリスク無しに出版権・原盤権を確保できた。それが1980年代半ばから主題歌の原盤権をレコード会社が所有するケースが増えてきたのである。
最近ではアニメ番組の提供スポンサーにレコード会社が名を連ねるようになり、その条件としてレコード会社が音楽を制作し原盤権を持つケースが増えている。レコード会社との関係で音楽製作費はアニメの制作予算に入っていないところに、スポンサーとなったレコード会社の思惑が絡むことで、次第にレコード会社主導の音楽プロデュースシステムが出来上がってきた。
最近のアニメのOP、EDは侮れないです。いわゆるアニソンですが、昔はアニメの為のアニメな音楽でしかなかったのですが、最近は楽曲そのものでも充分に勝負できるる作品も多くありますよね。

最近のアニソン(=アニメに使われるOP、ED曲)少しパターンを整理してみると、

1) メジャーアーティスによる楽曲提供
  → 最近では劇場版ドラえもんに福山雅治が主題歌提供したりしてますよね。その昔、スラムダンクのアニメ版エンディングは大黒摩季、ZARD、WANDSなどを使ってました。アニメ主題歌に使われなくとも売れるアーティストによる楽曲ですね。

2) 新人・売り出し中アーティストの楽曲提供
  → アニメ専門アーティストというわけではないけれど、アニメ楽曲提供で売りだしていこうという類ですね。自身が観てきたアニメでは銀魂ではソニー系のアーティストで占められてましたね。BLEACHはOPはオレンジレンジなどある程度メジャーなアーティスト、EDは新人系アーティストという感じでした。DOESやUVERworld、ユンナ、HIGH and MIGHTY COLORなんかはアニメを観て無ければ知らないアーティストでした。

3) アニメ声優をアイドル化させるための楽曲
  → 最近、アニメ観てるとコレ系多いですね。個人的には声優は声優であって欲しいと思っているので、あまり好きじゃないのですけどね。
オリコンによると2009年「アニメ音楽と映画音楽等」のジャンル売上は306.6億円で、邦楽・洋楽等を合わせた音楽ソフト全体の売上3510.4億円の8.7%に相当する。音楽ソフト全体が2008年比90.7%と1割も減少しているという状況下にあって、アニメ音楽・映画音楽ジャンルは113.5%と2桁の伸びを見せている。
音楽が売れなくなってきている昨今、アニメを通じて音楽を売るっていうのは各レーベルにとって重要かつ必要な戦術であることは間違いなさそうです。実際に、私自身も最近購入しているのは結果的にアニメのOPEDばかり。

ま、そういうことです。

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アーティスト:オムニバス
出版:SMAR
(2013-03-20)





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アーティスト:オムニバス
出版:SMAR
(2012-02-08)

アニメに関するお勉強メモ。以前よりアニメ市場が拡大し続けてきた理由や日本のアニメの特徴を整理したいと思っていたら、以下の2冊に要因が列挙されていたのでメモっておきます。

アニメビジネスがわかるアニメビジネスがわかる [単行本]
著者:増田 弘道
出版:NTT出版
(2007-07)





もっとわかるアニメビジネスもっとわかるアニメビジネス [単行本]
著者:増田 弘道
出版:エヌティティ出版
(2011-08-31)
  
・アニメ市場は一度も不況を経験したことのない右肩上がりの産業 (「アニメビジネスがわかる」は2005年の統計情報を元にして、2006年をピークに製作本数等は減少に転じています。)
・アニメ市場に関する統計情報は、「情報メディア白書」(電通総研)と「デジタルコンテンツ白書」(財団法人デジタルコンテンツ協会)を参照する。

■3回の高度成長期(アニメブーム)を経て発展したアニメ産業
第一次成長期(1963年〜1960年)
→ 鉄腕アトムの放映開始からアニメ定着まで。子供にアニメが定着した。
第二次成長期(1977年〜1991年)
→ 「さらば宇宙戦艦ヤマト」公開からOVA発売タイトルピークまで。アニメ視聴層が子供から青年層にまで広がった。
第三次成長期(1995年〜現在)
→ エヴァンゲリオン放映からテレビアニメ製作数更新中の現在まで。ポケモン、もののけ姫、千と千尋の神隠しなどのメガヒットで広範なアニメブームが起こり一般層、女性層、海外にまで視聴層が広がった。
※書籍出版当時は「現在」としていますが、製作本数が2006年をピークに減少に転じたので、第三次は2006年までですね。

■高度成長期(アニメブーム)を支えた要因


1) メガヒット作品の牽引効果
2) アニメ視聴層の拡大
3) ビデオの登場
もともとアニメビジネスは、ディズニーが確立したキャラクタービジネスメインの収益構造を基本としている。アニメビジネスに参入するには多額な資金が必要。
→ 子ども向けキャラクター商品は単価が低く採算をとるには多くの購買者が必要。
→ ゴールデンタイム枠&長期間の放映が不可欠。
→ 多額な製作費が必要。
→ でありながら、ヒットの保証なし。ハイリスク・ハイリターン。新規参入が難しい。
 ビデオの登場により、パッケージソフト販売が可能になる。子ども向けキャラクター商品=低単価=ビジネス成立には数百万人必要。パッケージソフト=高価=数万人単位でビジネス成立。

 商品化権メインのアニメビジネスはアニメ製作以外にも多数のプレーヤーが関与する。パッケージソフト中心であると、極論、アニメ制作会社とパッケージメーカーのみで成立。 
4) メディアの増加

→ 深夜枠の開放(テレビ東京が先駆け)、BS、CS、アニメ専門チャンネル等チャネル増加。
5) ファイナンスシステムの多様化
→ 製作委員会方式:資金面、プロモーション面で相乗効果がある。
→ SPC、コンテンツファンドなど。
6) 収益構造の多様化
→ ネット課金、海外販売など。
7) デジタル技術による生産性の向上
→ デジタル化により制作スピードが大幅に向上した一方で、高価な機材を必要としなくなりコストも抑えられるようになった。
 
■日本アニメが成長した理由
日本のアニメは「気づいたら売れていた」状態。国策でもなく、アニメ産業界が周到な戦略があったわけでもない。
※最近、国がアニメビジネスを後押ししようとしているのは心配ですね。アニメは文化的側面が強く、それに国が積極関与した途端にツマラナイものしか作れなくなりそう。
 
日本のアニメの持つ3つの優位性

 
1) エンタテイメント性
 ・マンガ文化がつちかったストーリー性の継承 
   → 日本における漫画市場、激烈な「ストーリー戦争」を勝ち抜きアニメ化。
   → 競争環境から高品質なストーリーのアニメが生まれてくる。
 ・苦悩しながら成長するキャラクター
   → 日本の漫画、アニメは内面の成長を伴う「ビルドウングソロマン」といえる。
   → 海外コミックに登場するキャラは年も取らず精神的進化も遂げない場合が多い。
2) 経済性
 ・基本的にアニメ制作にはお金がかかる。
   → ハリウッドでもアニメ制作は高いという認識で一致している。
   → テレビの登場で、1960年代前後にStudioのアニメ部門が次々閉鎖した歴史あり。
 ・日本のアニメ制作費は「安い」とされている。
   → この水準はアトム制作費を引きずってきた結果。
   → テレビ局が支払う製作費と実際に掛かる製作費というダブルスタンダードが出来上がる。
  手塚治虫が制作方法にイノベーションをおこした結果、低予算で制作が可能となり、日本アニメ発展につながったが、制作現場に低賃金、過重労働をもたらすという弊害も起きた。

 ・海外展開に成功したのは世界に類をみない低予算システム。
   → 意図せざるブロックバスター、ダンピング。
 ・低予算で視聴率を確保できる → 世界中のテレビ局が飛びつき、一度頼りだすと抜け出せなくなる。

3) 生産性
  ・効率的な制作手法
   → フルアニメーション、1秒12〜24コマ。アトムは秒3コマ、30分2000枚以内と決めてつくり、簡単で、枚数のかからない動かし方のパターンができあがった。(現在のテレビアニメは平均3000〜4000枚)
 ・制作会社の相依性。
   → 日常的に相互協力をすることで全体のレベルがあがった。
 
 と、メモはこんなとこで。

気になってしまいまして大学図書館で借りてきちゃいました。アニメビジネスに関するこの2冊。

アニメビジネスがわかるアニメビジネスがわかる [単行本]
著者:増田 弘道
出版:NTT出版
(2007-07)

 
もっとわかるアニメビジネスもっとわかるアニメビジネス [単行本]
著者:増田 弘道
出版:エヌティティ出版
(2011-08-31)
 
アニメビジネスの概観を知っておきたかったので、この2冊から自分の確認しておきたかった数字などを脈絡なくメモしておきます。以下すべての内容は上記2冊のどちらかを参照したものです。

世界的にはアニメは子どもの見るものとされているが、日本は必ずしもそうはなっていない。1980年代から一挙に広がったアニメの視聴者層は、現在では40代後半までおよんでいる。

「キッズ・ファミリータイプアニメ(KF作品)」と「青年層タイプアニメ(A作品)」では視聴者層の違いだけではなく、制作費や放映枠などビジネス面においても大きな違いがある。

「制作」:作品をつくること=Create、「製作」:作品をつくらせること=Produce

アメリカを中心にアニメ=3Dアニメとなっているが、日本は2Dが主流。日本にはアニメの原作となる漫画文化が定着していてる。漫画は2Dアニメが適していることと、2000年初頭ファイナルファンタジーで大やけどをしてその後、3Dアニメ製作の機運が一気にしぼみ、市場が拡大しなかったとも言われているらしい。

2005年のテレビアニメ制作は、180タイトル3823話。うち95%が1話30分。
1話あたりの製作費は平均1,100万円。キャラクターグッズ販売を中心に据えるKF作品よりA作品の方がコストが嵩む。A作品は1400万円程度という推計もあり。萌系アニメはA作品でも凝った作りにならない傾向となり制作費は抑えられている。
理由1)A作品はアニメファンの期待クオリティに耐えうる作品を作らなければならない
理由2)KF作品に対してA作品は総じて話数が少ない。(製作にかかる初期プロセスは同一でコストが変わらない)

2005年におけるテレビアニメ製作市場の推計規模は約430億円。同様に劇場版アニメの市場規模推計は約64億円(年平均30〜40本。分あたり300万円を基準に算出。)、OVA市場は約34億円。劇場アニメ制作分単価はテレビアニメ制作単価の5〜6倍。OVAの制作分単価は約100万円。

テレビアニメ放映市場の推計値は約365億円。(二次放映市場含まず)全国放送(深夜枠以外)、月額8500万円。テレ東系列全国放送(深夜枠以外)、月額3250万円。テレ東系全国放送(深夜枠)、月額2150万円。関東キー局(深夜枠)、月額1350万円。準キー局(深夜枠)、月額200万円。関東U局(深夜枠)、月額150万円。

日本のアニメが世界中でブレイクするきっかけを作ったのは「ポケモン」 1999年公開「Pokemon:The First Movie (ポケモン/ミューツーの逆襲)」はハリウッド対策並みの全米3043館で公開。初週興業成績で全米1位獲得、最終的な興行成績77億円に至った。

ポケモン以降、日本でヒットしたアニメが次々アメリカで放映されるようになった。

アニメ制作は2000年以降2006年まで右肩上がり。その後減少傾向。2006年のピークは年間のアニメ制作分数は、136,027分。2010年は89,590分(2006年比83%)。2010年の市場規模は2002年のそれと同じレベル。

新作タイトル数も、2006年の年間276本がピーク。2010年で194本。2000年代に限っての新作増減の要因は、アニメファン向けの作品、つまり深夜アニメにあった。

元来アニメは全日帯もしくは土日午前のキッズ・ファミリー向けアニメ(KF作品)だったが、1980年以降はアニメファン向け(A作品)の需要が高まった。しかし、視聴者が限られるA作品はスポンサーがつきにくく、かつ放送コード的に厳しいという理由から劇場版、OVAが多かった。1997年から表現規制の緩い深夜アニメ枠が開放され新作タイトルの急増につながった。

劇場版アニメ作品は、ジブリとテレビアニメ劇場版が支えている状態。歴代劇場アニメ興行収入ランキングをみると、1位「千と千尋の神隠し」の304億円を筆頭に6位までがジブリ作品。上位51作品をみると、ジブリ作品以外は全てテレビアニメの劇場版。特に、ドラえもん(17作品)、ポケモン(12作品)、コナン(5作品)の3作品のみで全体の3分の2強(66%)、興行収入の46.7%

アニメパッケージソフト(ビデオ・DVD・Blu-ray)の統計が登場したのは1983年。1983年の市場規模は272億円。2010年は759億円。ピークは2005年の971億円。その後、減少傾向に陥るが2010年に回復。この理由は、Blu-ray売上増の影響。全パッケージに占めるBlu-rayの比率は17.7%、うち54%がアニメ作品。

アニメファン層は教典(パッケージ)を最先端のクオリティで観たいというニーズが強く、最新ハードを購入しソフトを楽しむ傾向がある。一説には約20万人の需要(パッケージ購入人口)に支えられている言われている。

Blu-rayに相応しいクオリティ作品を制作することは大きな負荷がかかるがテレビ放映レベルではパッケージが売れない。パッケージ中心のアニメビジネスモデルの転換点にある。 

大変興味を持っている「日本のアニメ産業の発展要因と課題」「アニメと音楽との関係」「アニメと配信ビジネス」についても著書内に記述がありましたが、これは別エントリーでまとめるとして、一旦こんなところで。

アニメのお勉強1の「その4」です。他にも本を借りているのでこの1冊は、その4で終わりにしたいところです。

アニメーション学入門 (平凡社新書)アニメーション学入門 (平凡社新書) [新書]
著者:津堅 信之
出版:平凡社
(2005-09)

太文字はINDEX、囲み文章は著書からの引用です。それ以外は気になった点の要約 ※は自身の感想、です。

第5章 日本のアニメーション
日本のアニメーションは、1917(大正6)年1月に国産第1作と思われる作品が公開されてから、すでに90年近い歴史を刻んできた。現在、その多様性は世界的にも比類ないほどになっている。
日本初のテレビアニメは、1960(昭和35)年1月15日にNHKで放映されたスペシャル番組「三つの話」という作品と思われる。この作品は、「みんなのうた」の試作として放送されたもので、手法は切り紙アニメーションだったという。
日本で長編型のテレビアニメが多く制作が多いのは、長大なストーリーを有する長編漫画を原作としてテレビアニメが制作されたから。

東映動画の現在でも傑作と評される長編作品
1)「わんぱく王子の大蛇退治」(芹川有吾監督、1963)
2)「太陽の王子ホルスの大冒険」(高畑勲監督、1968)
3)「長靴をはいた猫」(矢吹公郎、1969)

・明治から大正中期にかけての日本の漫画は、大人向けの政治・社会風刺ものやナンセンスものが主体で、実は子ども向け漫画というものがなかった。
・大正初期から制作された日本製アニメーションも、その観客は大人だった。
・漫画とアニメの関係は、漫画とアニメ双方が、子ども向け作品という分野に進出することで、新たな段階に入った。

アニメブームとアニメファン


アニメブームの定義
「新たな様式や作風をもつ作品が現れることで、アニメ界の潮流に大きな影響をもたらし、作品が量産されると同時に観客層を著しく広げることができた現象」
単に作品が量産されるだけではなく、観客層がひろがることが、「ブーム」呼ぶべき現象

第一次ブーム(1960年代)
「鉄腕アトム」放送開始(1963)をきっかけとして、画期的な省力化システムによってテレビアニメが続々と制作された時期。特に、宇宙SFものが大流行した。
第二次ブーム( 1970年代後半から80年代後半)
テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」(1974〜75)によって青年層がアニメに熱狂し、また「風の谷のナウシカ」(1984)に至るまでの系譜の中で、アニメ観客層を大幅に広げた時期。アニメに特異的に熱狂する若者を示す「アニメファン」という言葉も一般化された。
第三次ブーム(1990年台後半から現在)
「もののけ姫」(1997)の成功と、海外でanimeという語が一般化し、アニメが日本発の大衆文化として認識された時期。国も自治体もアニメを新たなコンテンツとして注目しはじめたことに象徴されるように、第一次、第二次ブームとは質的に異なり、元来アニメに縁のなかった観客がアニメを見直そうとする傾向が強くなった時期でもある。
アニメ産業界とその周辺において「もののけ姫」が話題になった1990年代後半から、「アニメビジネス」という語が盛んに使用されるようになった。
※アニメ産業の問題点等の記述もあったけど他の書籍でも論じられているので省略。

第六章 海外のアニメーション

 各国のアニメの現状や主要な制作会社、作品などが紹介されている。

ということで、以上!!!次の本にいきますよ。





アニメのお勉強1の「その3」です。

アニメーション学入門 (平凡社新書)アニメーション学入門 (平凡社新書) [新書]
著者:津堅 信之
出版:平凡社
(2005-09)

太文字はINDEX、囲み文章は著書からの引用です。それ以外は気になった点の要約 ※は自身の感想、です。

第三章 アニメーションの分類
アニメーションの分類法には、「技術的分類法」と「形式的分類法」の2つに大別できると考えられる。その他にも「ストーリー・アニメーション」「中小アニメーション」といったような、「内容的分類法」も設定可能と考えられる。
アニメーションの分類法の例
1.技術的分類法
1-1:カメラ使用
 1-1-1:平面アニメーション 
・セルアニメーション
・ペーパーアニメーション
・切り絵アニメーション
・油絵アニメーション
・影絵アニメーション
 1-1-2:半立体アニメーション
・年度アニメーション
・砂、板、毛糸等を使用したアニメーション
 1-1-3:立体アニメーション
・人形アニメーション
・粘土アニメーション
・実物アニメーション
・ピクシレーション
1-2:カメラ不使用
 1-2-1:その他
・シネカリグラフ
・CGアニメーション
2.形式的分類法
2-1:商業アニメーション
・テレビアニメーション
・劇場用アニメーション
・CFアニメーション
・教育用アニメーション
2-2:非商業用アニメーション
・自主制作アニメーション
 (アート・アニメーションと呼ばれる多くの作品が含まれる)

アニメーション撮影方法
1秒間24枚(1コマ撮り)→書く絵が膨大となり大変
1秒間12枚(2コマ撮り)→国際的に一般的な制作法
1秒間08枚(3コマ撮り)→日本のテレビアニメ

※アニメーションの分類ではなく、自分はテレビアニメの内容的分類に興味ありなのです。

第四章 アニメーション研究の歴史と現状

アニメーション研究領域の全体像
1)直接的領域
 ・アニメーション理論:定義、擁護、範疇等を研究する領域
 ・アニメーション史学:歴史を研究する領域
 ・アニメーション技術論:技術(作画、撮影、CG等)を研究する領域
 ・アニメーション表現論:表現される諸事項(映像表現、ストーリー、キャクター等)を研究する領域
 ・アニメーション心理学:映像またはその動きと、それを知覚する人間の心理に関する諸事項を研究する領域
 ・アニメーション作品および作家論:具体的な作品、作家に関して研究する領域
2)周辺領域
 旧来から存在する領域:「映像学」「美学」「大衆文化論」「児童文化論」「メディア論」
 近年:「漫画学」「漫画論」
 ビジネス側面:「経済学」「産業論」
 教育活用:「教育学」「発達心理学」
「批評」「論評」は客観的に提示されている対象について、独自の視点で分析・解体し、新たな視点や価値観を紡ぎだすもの。「研究」は客観的に提示される対象を最後まで客観視した結果成立するもの。
→ 日本ではアニメーションに対する「論評」を中心に実績が積み重ねられている。
→ 研究とは、アニメーションにかかるあらゆる情報を客観化するところから開始される。

※まぁ、確かにそうですね。自分はアニメとマーケティングの関係について研究テーマにしたいなぁとぼんやり思っております。

「その4」に続く。 

アニメのお勉強1冊目の「その2」です。

アニメーション学入門 (平凡社新書)アニメーション学入門 (平凡社新書) [新書]
著者:津堅 信之
出版:平凡社
(2005-09)

太文字はINDEX、囲み文章は著書からの引用です。それ以外は気になった点の要約 ※は自身の感想、です。

第2章 アニメーションの歴史
E・レイノーが開発したテアトル・オプティ(1892)は、静止画を連続投影することで動画的な映像を得られる装置であったため、アニメーションの直接の起源として扱われるのが一般的である。
「コマ撮りによって動かないおすれば、素材を動いているようにみせる映画」で「コマ単位で管理された映画」がアニメーションであるとすれば、アメリカのJ・S・ブラックストンや、フランスのE・コールが制作した作品が、世界最初期のアニメーションであると言えるだろう。
アニメーションという映画分野を今日のように成長させた立役者は、やはりディズニーであろう
ディズニーの業績
1) アニメーションの作画・演出技術の多くを開発したこと
2) 大スタジオにおける分業システムを確立し、作品の大量生産を可能にしたこと
3) 「子ども向け」「ファンタジー」「自然主義的な作画とデザイン」といったキーワードで作品を制作したこと等の結果、アニメーションにおける商業性を拡大したこと

昭和30年代、日本アニメ界のその後の道筋を決定するスタジオが相次いで設立。
1) 東映動画 (1956年7月) → 長編アニメ第一作「白蛇伝」
2) 虫プロダクション (1962年1月) 
 → 「鉄腕アトム」 毎週1回30分の連続放映アニメ(世界的に例のない方式)
 → アニメーションを制作する期間がわずか1週間(当時の常識を全く無視)
「アトム」制作過程では、短いカットを積み重ねることによるスピーディな画面展開等、さまざまな「見せ方」の工夫が考案された。これらの工夫は、結果的に現在まで継承され、海外で「anime」、すなわち日本animeが特異なものとして捉えられる大きな要因となっている。
虫プロ輩出人材
・富野由悠季
・安彦良和
・出崎統
・りんたろう
東映動画と虫プロダクションの登場によって、日本アニメは、長編アニメとテレビアニメの発達という世界アニメ史の中でも独自の道を歩む方向性が決定づけられるとともに、1970〜80年代以降、日本アニメを代表する作品を手がけた多くの人材を送り出すこととなったのである。
1974年10月から半年間放映されたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は、以後約10年間続く空前のアニメ・ブームの火付け役となった作品である。
・「ヤマト」を熱狂的に支持したのは中高生を含む青年層で、草創期のテレビアニメを見て育った世代をうまく取り込むできた現象
・勧善懲悪型のストーリー構成から脱却が青年層へと観客層が広がる大きな要因
・複雑なストーリー構造が日本アニメ特有で、「anime」が海外で特異なものとして捉えられる要因の1つ。 
・「アニメ」に端を発するアニメ・ブームは、1980年代後半から退潮期に入る。
→ 制作される作品の内容やファンの多様化が進み、少数のマニア向けにさまざまな作品が制作されるという傾向が出てきた。
→ その延長線上に制作された「新世紀エヴァンゲリオン」は、一部のマニア間に生じたムーブメントがいつのまにか極大化し、「エヴァ」があたかも現代日本アニメを代表する作品であるかのような語られ方が支配するようになった。   
「ヤマト」以降のブームは、作品と観客双方の多様化が進み、マニア性の強い作品づくりが支配的になりつつも、日本アニメの表現としての可能性をさらに追究していた時期だったとも言える。
宮崎駿の功績
・日本映画史や大衆文化史における日本アニメの位置づけに大きく影響を与え、子ども向け、マニア向けといった枠組みからアニメを開放する道筋を与えた。
・日本アニメが世界的に評価される文化であることを印象づける決定的な効果を及ぼした。

アニメの歴史を把握するに2章はナカナカ良い内容でありましたよ。
厳選して引用したつもりだけど多くなりすぎたので、今回はこの辺で。
 

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