研究ノート(大学教員の徒然)

なかたにじゅんいちの個人ブログです。

タグ:新卒採用


 新卒紹介ビジネスが流行っているみたいですね。
 新卒採用の仕事を通じて、その新卒紹介ビジネスに、「どうなんだろう?」って思うことがありまして、
 その事を書こうかと思います。


 新卒紹介ビジネスの営業電話が昨年後半から明らかに増えました。
 
 新卒紹介会社が就活生を集め一定の教育・フィルターをかけ、企業に見合った学生を紹介する。
 内定が決まったら成功報酬を紹介会社支払う。

 シンプルなビジネスモデル。
 しかし、このビジネスモデル、現状の採用環境においては無理があると思うのです。

 確かに、現在の大学生を見ていると、就職を支援する会社の必要性を感じます。
 残念な学生が多すぎます。

 就職内定を得られず苦労している学生にとっては、相談に乗ってくれるし、企業も紹介してくれる。 
 紹介会社はとても心強い存在なのかもしれません。

 しかし、企業側にあまりニーズは無いんですよね実際は。

 企業というのは語弊があるかな。
 現在紹介会社の営業ターゲットとしている企業にはあまりニーズが無いが正しいですかね。


 紹介会社は、間違いなく大手就活サイト(リクナビやマイナビ)などに掲載している企業に営業していますよね。
 その中でも、恐らく中堅中小を中心にしていると思います。

 営業を受ける側は、成功報酬(内定を出してからフィーが発生する)なので、意外と簡単に了解をします。
 実施に自分も余程でない限り断りません。

 どういう期待をするかといえば、

 「自社単独では『絶対に』接点を持てないような『相当』優秀な学生が来てくれるかも」

 という可能性への期待。


 実際に、採用したい人材を確認してもらっているので、紹介をもらう学生は決して悪くは無い。

 でも、現在の新卒紹介の成功報酬の相場は50〜60万円。これがネックなんです。

 これを払ってまで内定を出したいと思えるか?といえばそんなことは無い。

 ましては、就活というゲームの中で自力で内定を取れないで右往左往して、
 紹介会社に相談している学生がほとんどなわけですよ。

 多少魅力があったとしても、結局新卒は新卒。
 入社して育てていかねばならないのは、独自で採用した社員と同じ。

 リクナビ等に掲載している企業は、新卒採用を取るために予算と工数を既にかけているわけです。
 要は独自で獲得することを大前提にしているわけです。

 リクナビやマイナビの掲載料は決して安くありません。
 多少良いからといって成功報酬など追加で払えるほどの会社は多くないはず。

 大手企業だったら、応募者に困っていませんから紹介会社など使いませんし、

 人事部門に取ってみれば、「新卒紹介会社にお金を払う」ことは
 「我々の力では優秀な新卒人材を確保出来ませんでした。」と自己否定しているようなモノ。

 リソースに欠ける中小企業だって、
 独自で頑張って採用活動すれば、同程度だったら採用出来る可能性があると考えてしまいますし、
 追加で費用を払うほど余裕はありません。

 採用工数を完全にゼロにして、採用を完全に委託するというなら良いかもしれませんが、
 既に採用活動をしている企業にとっては、現在の成功報酬は高過ぎだと思いますけどねぇ。 

 余程の緊急性(入社直前で辞退が続出してしまった等)が無い限り現在の成功報酬額は相応の価値にならないはず。

 という事で、ターゲットを間違っていると思うのです。
 
 
 初期営業は大変でしょうが、

 現在、新卒採用を行なっていない企業に対し、
 新卒採用の価値、意義、可能性を説き、1名でも良いから新卒採用をしてもらう事を了解とり、
 そこに対して学生を送り込むようなモデルであれば、社会的な価値もあると思うのです。

 まぁ、大変でしょうけど。

 そして、そもそも論になってしまうますが、
 現状におては就職内定を取りたい学生から対価をもらうべき状況だと思うのです。 
 
 内定が採れたら紹介会社に学生が成功報酬を払う。

 どちら側のエージェントであるか立ち位置でフィーの発生元は異なりますが、
 現在の採用環境を鑑みればどちらのエージェントであるべきかは明らかなんですけどね。
 

 で、何でこんなエントリーを書いているかというと、
 先日、新卒紹介会社から紹介を受けた大学4年生の面接をしたこと。

 確かに悪くない。この時期まで何故内定を得られていないのかが解らないくらい、良い人材。
 でも、常に成功報酬のことがアタマにあるわけです。ソレを前提に面接をせざるを得ない。
 
 成功報酬を払ってまで採りたいか?というとまだそこまでではない。
 これまで同等もしくはそれ以上の学生には会ってきているし、既に内定も出している。


 その面接をした学生に就活の話を詳しく聞いてみると、活動は相当量している。
 最終にも結構進んでいるが、いつも最終で落ちるという。

 何故かなぁと不思議に思い、更に聞いてみると、
 最終まで進んだ会社は、全て紹介会社に紹介された会社であることのこと。
 
 就活前半は、独自で大手企業を中心に就活したが全滅し、
 その後は、紹介会社に紹介してもらう中堅中小企業に絞り就活をしてきたらしいのです・・・。

 可哀想に・・・。
 どこの会社も考えることは同じですよ・・・。

 この学生が悪いわけでは決して無いと思うのです。
 普通に紹介会社を経由せずにエントリーしていればきっと内定を採れていたと思うのです。
 
 早いタイミングで、それに気づいていれば違った結果になったかな。

 気づけなかった本人の問題といえばソレまでですが、
 現状の新卒紹介ビジネスは同じような状況の学生を量産する可能性があるなぁと。

 誰も幸せにならない状況ってこういうことですよ・・・。
 
 その学生には企業が考える事をストレートにアドバイスしてあげました。

 そして、次の選考に進んでもらうことにはしました。
 成功報酬なんぞ気にならないくらいのポテンシャルを発揮してもらえることを期待する次第です。


本日午前中は某所で某社と新規事業立ち上げに向けた打ち合わせ。

新規事業を企業に紹介したことは、数え切れないくらい程あるけれど、取り組む側の立場で新規事業の事を考えるのは極めて新鮮な思い。

これから週間程度で事業性について充分に見極める作業をしないと。 

んで、午後は某所で「中小企業向けの採用セミナー」に参加。
某社の新規採用を社長と一緒に進めていく為の情報収集。

新卒採用の面接は経験があるけれど、採用計画から施策の実行となると、始めての仕事になるわけですが・・・

セミナー内容で、講師の方から

「企業における採用力の9つの要素」 

という話を伺った。その9要素とは、
  1. 企業魅力度
  2. 広告予算量
  3. HRチーム
  4. 媒体力
  5. 媒体管理力
  6. クリエイティブ力
  7. マーケティング力
  8. 求人スペック
  9. 採用ツール
とのこと。

1を商品魅力度、3を営業チーム、8を商品価格、9を営業ツールとすれば、普通にプロダクトマーケティングの話であるわけですね。

学校で学んでいることを実践できる絶好の機会です。

採用力について、

昔は、大手企業の採用力は中小企業とは比較にならないほど強大だったが、それは、数少ない紙媒体中心の採用であり、採用広告予算が勝敗を分けるところが大きかったから。

でも、今や紙に加えWEBという媒体種類は増え、その数も山ほどある。しかも、不景気で媒体の価格も暴落してます。

ということは、低コストで就職希望者を集める手段はいくらでもあるわけであり、中小企業であっても然るべき施策を取ることにより、望む人材を採用することも可能という事ですよね。

さらには、2011年新卒採用の現在は、日本経済が低迷し、大手企業が採用門戸を狭めているわけです。
 
中小企業にとってみれば、望む人材を採用するビッグチャンスなんですね。確かに、エントリー数や会社説明会申し込み数も毎日伸びている。


といったところ、本日は以上なり。

中小企業の採用担当者へ!「これが新卒獲得のノウハウです」―「採用力」が確実にアップする業務の基本74中小企業の採用担当者へ!「これが新卒獲得のノウハウです」―「採用力」が確実にアップする業務の基本74
著者:綿貫 哲也
販売元:実務教育出版
発売日:2007-06
おすすめ度:4.5
クチコミを見る
 

↑このページのトップヘ