研究ノート(大学教員の徒然)

なかたにじゅんいちの個人ブログです。

タグ:早稲田MBA


早稲田MBAの各研究室には私的研究会・勉強会が存在しているのですが、我が恩蔵ゼミにも研究会があることを最近知りました(汗)

その名は「早稲田マーケティング・マネジメント研究会」

四半期に1回程度の頻度で開催されていて、本日は8回目。

本研究会、経営に携わる方々をという緩い参加条件を設けているらしく、参加者は恩蔵ゼミOBOGを中心に企業の幹部の方ばかり。

そんな研究会に恐れ多くも今回から参加させていただくことになったのです。

で、1年ぶりに高岡さんのお話を伺いましたが、
改めてネスレという会社は魅力的ですね。

ちなみに、昨年の講義については
[06/17]戦略とリーダーシップ 〜早稲田MBAの授業(仮称)
上記をご参照ください。

以下はちょこっとメモ:

◆ネスレはグルーバルで売上約10兆円、日本国内(ネスレ日本)の売上は約2500億円。

◆ネスレ日本は創業97年で、実は日本最古の外資系企業とのこと。

◆ネスレのコーポレートブランドはあまり重視せず、商品ブランドで成長している企業。

◆売上1000億円以上のブランドを30以上を有している。

◆コントレックスやペリエなど水ビジネスでも世界一の企業。

◆先進国において日本は一人当たりの食品への支出割合が突出して高い。にも関わらず、日本の食品メーカーの利益率は高くない。付加価値の高い市場でありながら、日本の企業は非効率?

◆日本の食品メーカーはコーポレートブランドを強化し流通における場所の確保を進めてきた経緯がある。
=沢山の商品ブランドを作り棚を確保する。一つ一つのブランドはあまり育たない?

◆家庭外では殆ど飲まれていないにもかかわらず、家庭内で圧倒的なシェアを確保しているためネスカフェはカップ換算年間110億杯飲まれているNo.1ブランド。


本日お話いただいた高岡さん、昨年、戦略とリーダーシップの授業でお話を伺った際は、ネスレコンフェクショナリーの社長でしたが、現在はネスレ日本と統合され、代表取締役副社長で、コーヒー事業を担当しているとのことです。

キットカットのことに加えて、現在進めているネスレの新しいコーヒー戦略のお話を伺ったわけですが、大変大変興味深いお話ばかりでした。

コレ ↓ 関係のお話でしたが、現在進行形のお話だったので詳細は省略。

ネスレ ネスカフェ ドルチェグスト MD9741-RDネスレ ネスカフェ ドルチェグスト MD9741-RD
販売元:ネスレ
おすすめ度:3.0
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 ネスカフェ エクセラ 150g x 4個ネスカフェ エクセラ 150g x 4個
販売元:ネスカフェ
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インスタントコーヒーの常識が変わりそうです。

「人とどれだけ異なる戦略を採ることが出来るかが極めて重要」
By 高岡さん

 
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本日の大隈塾、外部ゲストはお休みである代わりに、
内田先生による「プロフェッショナル論」でした。

内田先生はご存知、元BCG日本代表。現在は早稲田大学ビジネススクール教授。

尊敬する先生の一人です。

内田先生の授業は全て履修してきていますが、授業の多くの時間はファシリテーションなので、内田先生のお話をガッツリ聴ける有り難い機会でした。

おはなしの主旨は以下の3つ。

・ 結果が全て
・ 技(スキル)と心(ハート)
・ 志


内田先生のBCG時代の経験を中心に、あっちこっちに脱線しながら、小話満載の内田節全開であっという間の幸せな時間でした。

講義の最後にオススメ本の紹介があったのでご紹介。

パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法
著者:ジョエル バーカー
販売元:日経BP出版センター
発売日:1995-04
おすすめ度:4.5
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この本は昨年春の講義で紹介され自分も速攻読んだ1冊。
自宅本棚に何故か2冊あります。

技士道 十五ヶ条 ものづくりを極める術 (朝日文庫 に 9-1)技士道 十五ヶ条 ものづくりを極める術 (朝日文庫 に 9-1)
著者:西堀 榮三郎
販売元:朝日新聞社
発売日:2008-01-11
おすすめ度:5.0
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紹介されたのは「想像力」というタイトルの本ですが、絶版となり、上記はタイトルと章立てが変更され再出版された一冊。

読んでみないと。

勝者の思考法 (PHP新書)勝者の思考法 (PHP新書)
著者:二宮 清純
販売元:PHP研究所
発売日:2001-03
おすすめ度:3.5
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リーダーシップを考える上での良書。売れましたよねこの本は。スポーツを事例していて読みやすいです。
ビジネスで使える思考法を考える上ではても良い本だと思います。

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学 (中公文庫)すぐれた意思決定―判断と選択の心理学 (中公文庫)
著者:印南 一路
販売元:中央公論新社
発売日:2002-01
おすすめ度:4.5
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これは、「読まなくても良いかも」という前提付き。
意思決定をアカデミックに研究している一冊です。
自分も読んだことありますが、あまり印象に残っていません・・・

項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)
著者:司馬 遼太郎
販売元:新潮社
発売日:1984-09
おすすめ度:5.0
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組織の事を考えるうえでこれは読んだこと無いのですが、の一冊とのこと。
 

ついでに、内田先生の本もリンクしておきますね。

個人的には「スパークする思考」が一番好きです。

スパークする思考  右脳発想の独創力 (角川oneテーマ21)スパークする思考 右脳発想の独創力 (角川oneテーマ21)
著者:内田 和成
販売元:角川グループパブリッシング
発売日:2008-11-10
おすすめ度:4.5
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仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
著者:内田 和成
販売元:東洋経済新報社
発売日:2006-03-31
おすすめ度:4.0
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論点思考
論点思考
著者:内田 和成
販売元:東洋経済新報社
発売日:2010-01-29
おすすめ度:4.5
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本日もはじまりました。師匠による「マーケティング1」
本日のお題は「ブランド」です。

「ブランド」は極めて奥深いです。

以下、いくつかメモ。

◆ブランドの重要性を考える実話。

2人の美人女性について、100人の男性に「どちらが美人か?」と質問したところ、回答は50:50と拮抗した。

次は、2人の女性に名前をつけた。1人目は「ジェニファー」、もう1人は「ガートルード」。

改めて別の100人に、「どちらが美人か?」と質問したところ、ジェニファーの方が美人との回答が8割となった。
※ガートルードという名前は、アメリカにおいては「古風な名前」に位置づけられているらしい。


「優れたブランドは、平均以上の収益を“継続的に”確保するための唯一の手段である」 by フィリップ・コトラー


◆ブランド・エクイティ論

ブランドエクイティ(BE)とは何か?
ブランドは企業経営における5つ目の資産である。
(人、物、金、情報、ブランド)

BEの4要素=認知、知覚品質、ブランドロイヤリティ、連想)
→ 特に重要なのが連想。
→ 連想が強くて、好ましくて、ユニークであればあるほど好ましい。

ブランドは資産であるので売買が可能。
EX) デルモンテの極東の権利は、キッコーマンが保有している。

◆ブランド・マネジメント
<ブランド戦略の基本>
・ブランド強化
・ブランド変更
・ブランド・リポジショニング
・ブランド開発

ブランド強化においては、 
・ 丁度可知差異(Just Notice Defference)
→ 言われてみれば分かる程度の違い。
・ 使用量UP
→ 消費シーンを増やす。使い方を変えさせる。
・ 頻度UP
→ 鮮度効果、テコ入れ効果
→ 欧米では鮮度効果はほとんど目的とされない。
国土の広さやメディアの違い。
日本では、比較的頻繁にブランド変更が行われる。

◆ブランドの役割
・ アイデンティファイアー
・ ドライバー
・ エンドーサー
・ シルバーフリット 

◆ブランドの階層性
・ 企業ブランド
・ ファミリーブランド
・ 個別ブランド
・ グレード(モディファイアー)
→ 製品・市場の同質性、異質性にあわせて選択する。 


他にも、ブランド拡張の話など諸々あったのですが、
なんか、今日は疲れ気味(月曜日なのに・・・)なので、こんなところ。

そうそう、質疑応答の際には、色々な質問がでていました。
本日の講義はブランドに関する全体像を理解するための構成でしたので、各論深堀するには、もっと時間を要しますよね。

その中で、

「ブランドの影響を全く受けない財はあるか?」という質問が出ていました。

これは難しい・・・。

多分無い。全てにブランドは存在しますね。


春期後半開講のブランド論はやっぱりもう一度聴かなければ。

先日、師匠が監訳されている ↓ 買おうかな。でも8,000円・・・

戦略的ブランド・マネジメント 第3版戦略的ブランド・マネジメント 第3版
著者:ケビン・レーン・ケラー
販売元:東急エージェンシー
発売日:2010-04-10
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ということで、大隈塾第一回は伊藤忠商事 取締役相談役 丹羽宇一郎氏。約50分の講話、その後30分程度の質疑応答。

本日はその後、懇親会があり終了後、いつものサイゼリアで9限を開催してしまい、また飲みすぎているのですが、記憶が鮮明なうちに書いておこうかと。

お話は、「エリート」というキーワードでの仕事論、人生論的な内容でした。

あまり、内容を事細かに書くのはおそらく問題もあると思いますので、自分にとって印象に残ったフレーズを少しだけ。

※前後の話の流れを割愛しますし、ノートへのメモを参照しているので、言葉そのままではありませんので、文章のみを鵜呑みにしないようご留意を。 

-----------------------------------

「社会にでて10数年は現場で仕事が自らの血肉になるほど働きなさい。」 

「組織における『嘘』は絶対に許さない」

「『努力している』と思っているうちはまだ甘い。それは一生懸命やっているという意識、つまり『こんなに自分はやっている』という気持ちがあるということ」

「国、企業が衰亡するのは、自己決定能力を失った時」

「ビジネスとは『人格』と『人格』の戦いである」

勉強は努力するものではない習慣である。

『若さ』というのは最大のアドバンテージ。未来・時間という資産を有している。

--------------------------------

と、こんなもんじゃないのですが、これは心に留めておきたいというのを少し書いてみました。

丹羽さんの考えは当然著書などからも知り学ぶことは可能ですが、直接話しを聴くというのは、次元の違う学びを得られる感じです。

「もっと仕事しなきゃ、もっと勉強しなきゃ」って奮い立たされました。

来週までに講義レポート提出までにもう一度、コッソリ録音した音声を聞き直したいと思います。 

  次回は、品川女子学院の漆紫穂子校長がゲスト。
これもまた楽しみなり。 


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水曜日は内田先生のリーダーシップ論を履修。
通称「大隈塾」と呼ばれている寄付講座で、MBA学生に加えて、企業派遣の方も参加の人気講座。

何故、人気かといえば、単位が取りやすい、もとい、毎回、政財界人が講師として特別講義を行い、それに基づいてディスカッションし学ぶという講義だからです。
加えて、その担当教授が内田先生に加え、田原総一朗さんなわけです。

アカデミックな内容というよりは、先人に生きる力を学ぶことや、人脈の拡大には、とてーも素敵な授業だと思います。

んで、初回の本日は、伊藤忠商事株式会社 取締役相談役の丹羽宇一郎氏。

今後、未定回もまだありますが、冨山和彦氏(経営共創基盤株式会社代表取締役)や、キャノン御手洗会長、BCG日本代表の御立さんなど。

 もうまもなく、初回の授業、丹羽さんのご登場です。

集中して聴かなければ。

参考図書に指定されている近著もゲットしてきましたので、サインしてもらおうかな。

新・ニッポン開国論新・ニッポン開国論
著者:丹羽宇一郎
販売元:日経BP出版センター
発売日:2010-03-04
おすすめ度:4.5
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負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)
著者:丹羽 宇一郎
販売元:朝日新聞出版
発売日:2010-04-13
おすすめ度:4.0
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月曜日の7・8限はマーケティング1を聴講することにしました。

昨年履修した講義なのですが、今年はマーケティング1を恩蔵先生&守口先生が担当することになったからです。

わたくし、恩蔵先生に師事したくて恩蔵ゼミに所属しているのですが、1年目は大変残念ながら恩蔵先生の授業は開講されなかったのです・・・

今年、マーケティング1を担当すると聞いて

「これは聴かねばならぬ」 

と思い聴講することにしました。

初日はガイダンス的授業。初回から恩蔵節炸裂でゼミ生としては嬉しい限り。

学んだことばかりではありましたが、改めて聞くことで学びは深くなりますね。

以下、今日のメモ。

◆会社の経営資源とは?

「ヒト、モノ、カネ」が一般的だったところに、1987年頃に「情報」が加わり、90年代半ばからはさらに「ブランド」が追加された。

現在は「人、モノ、カネ、情報、そしてブランド」が企業における資源。 

◆マーケティングとは?

『4P等のフレームワークを市場に対してを「Fit」させ、それを仕組み化すること』 

これがマーケティング。

◆マーケティングにおいて大切なこと

組織において重要事項・優先するべき『価値』を明確にしておくこと。
 
◆コモディティ化するなかで。

知恵の無い企業は、価格軸で勝負することになる。


と、まぁこんなところで。


恩蔵組としては、恩蔵先生の話を聴いているだけで幸せな気分になります。


しまった・・・ 1月に先生の新著が出てるじゃないですか・・・
読まないと。


感性で拓くマーケティング感性で拓くマーケティング
著者:恩蔵 直人
販売元:丸善プラネット
発売日:2010-01
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春休みに入り、授業も無くなり修論に向けて論文や文献を読む時間はあるはずなのに全く進んでいません・・・(汗)

それをさておいて、あっという間に過ぎ去った早稲田ビジネススクールでの1年を振り返っておきたいと思います。

今回は、私自身が1年目に履修した授業について。

履修科目一覧は以下の通り。

◆前期◆
マーケティング1 (基礎科目:2単位)
マーケティング2 (基礎科目:2単位)
ブランド戦略 (専門科目:2単位)
戦略とリーダーシップ (専門科目:2単位)
ITマーケティング (専門科目:2単位)
市場競争戦略 (専門科目:2単位)
マーケティングと競争戦略 (専門科目:2単位)
マーケティング戦略演習 (ゼミ:2単位)

◆後期◆
ファイナンス1 (基礎科目:2単位)
ファイナンス2 (基礎科目:2単位)
競争戦略研究 (専門科目:2単位)
仕組み革新 (専門科目:2単位)
経営戦略1 (基礎科目:2単位)
経営戦略2 (基礎科目:2単位)
組織のオペレーション (専門科目:2単位)
マーケティング事例研究 (専門科目:2単位)
マーケティング戦略演習 (ゼミ:2単位) 

と、以上、
基礎科目 6科目12単位
専門科目 9科目18単位

これにゼミの4単位を加え、1年目34単位となりました。

年間上限登録単位が36単位と定められているので、ほぼMAXです。
月曜日から土曜日までフル回転の履修でした。

ちなみに、早稲田ビジネススクール(夜間主)の修了要件は、48単位です。
2年目もゼミが4単位あることを考えると、残り10単位。
2年目は最低5科目履修で修了要件は満たせることになります。

履修科目は、マーケティング系と経営・競争戦略系に集中させ、唯一ファイナンスは履修しましたが、マネジメント系、会計系、組織人事系などは捨てました。

これは、年度初め、恩蔵先生から

「広く浅くではなく、MBA夜間は分野を絞って授業を選ぶが良策」

というアドバイスをもらった事にもよりますが、結果として絞って良かったと思っています。

分野が同一ゆえ各講義内容をリンクさせる事が容易で、
関連する知識見識が広がり、また理解も深まりやすくありました。

履修一覧を書いてみて、各講義の内容や課題レポートのことが鮮明に思い出されます。本当によく勉強した1年でした。

2年目も、履修科目は同様に分野を絞り、
関心のある分野は聴講する形を取りたいと思っています。

次回は履修した講義についての私的ランキングを作ってみたいと思います。
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