研究ノート(大学教員の徒然)

なかたにじゅんいちの個人ブログです。

タグ:田原総一朗


 田中均さんの話を直接聞く機会を得たのは、ビジネススクールに通っていた2010年11月。
 田原総一朗さんが主宰する「大隈塾」という講座の中でのこと。

 強烈な印象でした。
 鋭利な刃物を前にしたような恐怖に近い感情を今でも覚えています。

 で、講義を受けたのちすぐに3冊購入していたのですが、本日までツン読にしていた1冊がこれ。

 国家と外交
国家と外交
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  2005年11月に出版されている対談録です。
 ちと古い対談だから、まぁいいわと思って読まずにいたのですが、
 他の2冊より、実はこれが購入した本の中では一番面白かったりしました。

 田中さんが外務省を退官したのが2005年8月、その後すぐに出ていた本なのですね。
 
 田中さんの外務省時代に携わってきた事象について当時の交渉内情を話しています。
 
 特に小泉首相の北朝鮮訪問、拉致問題のことやイラク戦争のこと、靖国参拝問題など
 小泉政権当時の外務省の役割・仕事がよく理解できます。
 
 ビジネススクール当時に田中さんの話を聞いた後に読んだ、

外交の力
外交の力
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 「外交の力」という田中さんの回顧録を読んだ時も同様に思ったのですが、

 日本人は外交の事を知らなすぎですね。

 新聞やニュースで「外交問題」という言葉に接する事はあれど、
 報道されるのは表面的な事実のみ。

 
 実際に「外交」の現場でどのような事が起きているのか知る由も無し。
 ニュースの背後にどのような意図があるのかなど想像すらつきません。

 そして、外務省がどんな仕事をしているのかなど、ほとんどの日本人は知らないのではないかと。

 義務教育の中で、外交について学んだ記憶が無い。
 外交もさることながら、「国家」について学び考える機会も無かったように思う。

 非常にマズイのではないかと思う。

 世界は今どのような変化の中にあり、
 日本という国は何を価値観とし、如何にあるべきなのか?
 
 そんなことを、「政治の事は関係ない」「自分には大きな影響ない」などと
 無関心であることなく、全ての日本人が少しだけでも考えるようにならないと
 日本という国はこのままどんどん没落していってしまうような危機感を感じるのです。

 政治のレベルは国民のレベルに等しい。
 そして、メディアのレベルも国民のレベルに等しい。

 今の政治やメディアを憂うならば、まずは国民一人一人がレベルアップしないと。

 そう思うのです。

 ちなみに、当時買った3冊のうちもう1冊はこれでした。

プロフェッショナルの交渉力
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最終回の講師は大隈塾の主宰者、田原総一朗氏。
オフレコな話も多かったのですが、書いてよさそうな事のみ以下メモ。

◆政治について

民主党がようやく政治に気づいてきた。
装置を作ったが、機能してこなかった。

鳩山政権>
夢を語ったけれど何も実現出来なかった。大嘘をついてきた。
自民党に反対するだけの能力しかないブレーンしかいなかった。

脱官僚を掲げ何も出来なかった。
政治家は素人、官僚は専門家。

菅政権>
夢は語らず。装置を動かす必要を認識。
装置を動かす=官僚を動かす。

装置を動かせる人材その1=仙谷由人。
装置を動かせる人材その2=与謝野馨。
装置を動かせる人材その3=藤井裕久。

追い詰められたところで決断。恥も外聞も捨てた人選。

◆その他もろもろ


・ アジアの成長マーケットをガツガツ取り込むべき。

・ 企業と官僚、政治はあまり変わらない。
・ 朝生地方版を最近開催している。
北海道版 : http://www.htb.co.jp/asanama/

・ 間違いのない一次情報を元にすることで発言に自信が持てる。
・ 英語が不自由なことは今後において大きなハンディキャップになる。

・ 安全保障=経済+文化+軍事


リーダーシップとは・・・

自ら体を張ること。早い決断が出来ること。


田原さん、御年76歳。
政治、経済について熱弁を振るっている姿は全く年齢を感じさせません。
一言一言に迫力があります。

田原さんが主宰する大隈塾は今年度が最後とのこと。
大隈塾という素晴らしい機会をありがとうございました。

緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす
著者:田原総一朗
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Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった (現代ビジネスブック)Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった (現代ビジネスブック)
著者:田原 総一朗
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今だから言える日本政治の「タブー」今だから言える日本政治の「タブー」
著者:田原 総一朗
扶桑社(2010-07-29)
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2年目の水曜日は「リーダーシップ論」を履修しているのですが、
「大隈塾」って言ってみたり、「リーダーシップ」言ってみたりなのですが、

正式名称は、
大隈塾寄付講座「リーダーシップ論」
であります。

HPもありました。(今さらですが・・・)

早稲田大学大学院商学研究科 大隈塾リーダーシップ論
http://www.w-int.jp/education/okumajuku/index.html

ご存知、田原総一朗さんが立ち上げた私塾で、その正式科目って形です。
寄付金を頂いている企業様からの派遣履修生もいる特殊形態。
企業だけでなく、経産省、外務省、総務省からも派遣の方がいます。


派遣で参加し、MBAに関心を持って翌年入学した方もいるそうです。


で、実際にどんなかたが講師に来ていただけるかというと、HPにカリキュラムがありましたので、以下、前期分とあわせて転記しておきます。
後期もなかなか豪華ですねぇ。
(役職はカリキュラム作成時のモノです)
春学期
1:4月21日  丹羽宇一郎 (伊藤忠商事株式会社 取締役相談役)
2:4月28日  漆紫穂子 (品川女子学院 校長)
春合宿:5月8〜9日
3:5月12日  後藤高志 (株式会社西武ホールディングス 代表取締役社長)
4:5月26日  冨山和彦 (株式会社経営共創基盤 代表取締役)
5:6月 9日  枝野幸男 (民主党幹事長)
6:6月23日  内田和成
7:7月 7日  出木場久征 (株式会社リクルート カスタマーアクションプラットフォーム室 室長)
夏ワーク:7月25日
秋学期
秋合宿:9月11〜12日
8:10月 6日   御手洗冨士夫 (キヤノン株式会社 代表取締役会長)
9:10月20日   御立尚資 (株式会社ボストンコンサルティンググループ 日本代表)
10:11月10日  岩田彰一郎 (アスクル株式会社 代表取締役社長)
11:11月24日  田中均 (財団法人日本国際交流センター シニア・フェロー)
12:12月 8日  樋口泰行 (マイクロソフト株式会社 代表執行役社長)
13:12月22日  未定
14: 1月19日  田原総一朗
春・秋合宿 鴨川自然王国
春:5月8〜9日  田植え合宿 講義付き
秋:9月11〜12日  稲刈り合宿 講義付き
夏ワーク 7月25日 政策シミュレーション


個人的には、最終回の田原さんの回が1番楽しみだったりします。

田原さんのHP : http://www.taharasoichiro.com/
田原さんのBLOG : http://www.taharasoichiro.com/cms/

過去の各回の事はブログに少し書いてます。内容はほとんど割愛してますが・・・。
http://blog.livedoor.jp/juncool/search?q=%C2%E7%B7%A8%BD%CE

今だから言える日本政治の「タブー」今だから言える日本政治の「タブー」
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田原式つい本音を言わせてしまう技術田原式つい本音を言わせてしまう技術
著者:田原 総一朗
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