車が売れないらしい。そんな売れない状況を打破するには?を考えてみるお話。


SC430でなく、Z40ソアラが欲しい!

 昨年からの金融危機に端を発し、自動車業界に激震が走っている。
 自動車の新車販売台数は激減。あのトヨタですら赤字に転落。経費削減がモータースポーツに直撃し、ホンダのF1撤退。スズキ、スバルのWRC撤退。三菱のパリダカ撤退。そんな散々たる状況になっているのは、ご存じの通り。

 そんな中、どうやったら自動車が売れるかを考えてみることにした。

 まず、都市部と地方では車が売れない理由が異なることをはっきりさせておく必要があると思う。地方は、車が生活必需品。1人1台の世界。車が売れないというのは、買い換えを控えているから。今の車が壊れたわけでも無いから、先行きが不透明な今、あえて買い換える必然性が無いだけのこと。

 逆に都市部(特に東京23区)においては、車に必然性が無いから買わない、車を持たなくても生活が出来るから持たない。だから買わない。ただそれだけ。実際、大学時代5台も乗った車好きの自分でさえ、社会人になって車を手放した。平日は乗らないし、週末も毎週必要かと言われればそうでもない。にも関わらず、車を持てば、駐車場だけでも月3万円。これに自動車保険に、ガソリン、その他諸々の維持費を考えると、車を道具として割り切り、必要な時にレンタカーで済ませてしまっている。余裕があれば、もしくは維持費が低く抑えられれば本当は車が欲しい。ちなみに今、もし車を買うなら、迷わず、Z40ソアラを買う。

 一言に「車が売れない」といっても地域により事情が違うのだから、対策も当然異なるわけですな。

 地方の場合は、必需品なので既に維持費も織り込み済みで生活しているので、買い換える理由さえあれば良いわけです。これはさほど難しくない。

 維持費や燃費を勘案して、軽自動車に買い換えが多かったのも地方なのでしょう。先日、岡山県総社市が、三菱車を買うための補助金10万円を出すことにしたら、申請が殺到したことを考えると、補助金政策は良いと思われる。新車購入後一定期間税金免除という手もある。総社市のように、企業城下町のような地方であればなおさら有効かと。

 問題は、都市部だ。既に昔から保有している人よりも、最近、若い世代が車を欲しがらないことが一応、車が売れない理由となっているようだが、上記の通り、車が必需品でない状況下で、車を新規で購入させることは極めて難しい。

 車を持てるなら持ちたい。欲しいという若い世代は潜在的に非常に多いと思う。自分自身がどうなれば買うか?という視点で都市部で車が売れるようになる対策を考えてみる。

 車が安ければ買うか?といわれればそうではない。一番のネックが駐車場代。乗りもしないのに、置いておくだけで毎月3万円も駐車場代がかかることが心理的に極めてネックになるのだ。車のローンなどを組んだら、ローンとあわせればかなりの金額が黙っていても出ていく。これは非常に苦しい。

 ということで、思い切って自動車メーカーが都市部に駐車場を確保して購入者に2年間くらい無料で提供してはどうだろうか?タワー型の駐車場であれば、省スペースでもある程度台数を確保できるはず。自宅近くでなくても良いのですよ。少し離れたところでも、無料ならば我慢して載りたいときに取りに行きます。

 ビジネスとして採算あうかな?

 PR要素を加味して、どこかでテスト的に実施するのは有りかもしれません。取りあえず10台分のスペースを確保して周囲2キロの住民限定。新車購入および、自動車保険も購入ディーラーで加入を条件にして、2年間駐車場無料というキャンペーン。

 日産自動車あたりが横浜で実施を想定してみます。

 駐車料金を30000円/月と仮定すると、10台、2年で720万円。地主側としては2年間日産自動車が借り上げるというメリットもあるので、20%位ディスカウントしてもらって、576万円。これ以上の利益が上がれば良いわけですね。これでみんなマーチを買われてしまっては採算が合わないので、例えばZ、スカイライン、GT-R、フーガなど、購入車種を300万円以上の新車という縛りを入れて、利益率10%、購入価格を最低の300万円とすれば、利益は、10台売って、300万円。これに自動車保険の利益と、メンテナンスも全て購入したディーラーという縛りも入れれば、トントンくらいにまでは持って行けるかもしれません。さらに横浜市が全面バックアップということで、固定資産材を2年免除してもらうという形になれば、地主はもっと安く貸すかもしれません。

 もしくは、ディーラーの敷地内にタワー型の駐車場を設置すれば、駐車場代すら日産は要らないですね。買う側も、自分の車がディーラーに置いてあるって何かと便利ですし。

 メディア受けもするのでテレビや新聞でも話題になるでしょうから、日産のPR戦略としては良いかもしれません。

 都市部では地価が高いので、採算に乗せるのが大変ですが、これが地方であれば、非常に採算に乗せやすい施策かもしれません。例えば、日産車を買えば、駐車場を半額日産が負担します。みたいなキャンペーンをすれば、かなり反響あると思いますけどね。

 斬新な対策として思いつくところはこれしかないです。裏を返せば、都市部に駐車場が無い、高すぎることが車が売れない大きな理由かもしれませんね。中途半端な減税など、都市部で現在車を保有していない若い世代には無意味です。車を売りたいなら、駐車場を確保することが先決です。

 実際に高速道路がいくら1000円乗り放題になっても、車を持っていない人には何の恩恵も無いのですよね。新たに車を持てば、それに付随する消費が必然的に付いてきます。そんな風におもうわけです。

 車に付随する消費の事を考えると、レンタカービジネスをもっと便利にしたり、カーシェアリングといった新しいビジネスモデルを作ることでも良いかと思います。

 いずれにせよ、自分自身は、都心のマンション暮らしをしている限り、駐車場代というハードルが最も車を持つことを邪魔するのです。車は大好きなのですがね・・・。