先日、嶋口・内田研究会に初めて参加してきました。

嶋口・内田研究会
http://www.waseda.jp/sem-uchida/shimaguchi_uchida.html 

講師は日本最大のレシピサイト「クックパッド」の大野晋一氏。

クックパッド : http://cookpad.com/ 

料理好きな私は以前より愛用しています。昨年、マザーズに上場して話題にもなりましたよね。

クックパッドの掲載レシピ数は約79万レシピ。

如何にクックパッドのレシピ掲載数が多いかを、掲載レシピ数が公表されていYahoo!グルメのレシピ情報と、いくつかの材料での検索結果を比較してみます。 

検索キーワード:トマト 
クックパッド : 68,676レシピ
Yahoo!グルメ : 3,064レシピ

検索キーワード:パスタ
クックパッド : 45,841レシピ
Yahoo!グルメ : 1,026レシピ 
 
掲載数のみがサイトの優劣にはつながるものではありませんが、ココまで圧倒的な違いがあると、流石に現在はクックパッドに軍配があがりますね。

決算説明資料を見てみると売上・利益ともに右肩上がりな状況です。

2010年4月期決算説明会補足資料(PDF)
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=808389


そんなクックパッドのお話を聞いたのは6月11日(金)の事。

苦労しながらサービス開始から10年余年を経て上場を果たしレシピ検索の分野ではNo.1の地位を築いていてはいますが、今後も安泰かといえば極めて怪しい感じがします。

その懐疑的なポイントについて、まとめようとしたらクックパッドの決算短信に、事業等のリスクとしてあらかた開示されていました。

例えば、

「クックパッド」及び「モバれぴ」への依存について
当社は、「クックパッド」及び「モバれぴ」を運営しておりますが、いずれも料理レシピの投稿及び検索に特化した機能を提供しております。そして当社の事業は、「クックパッド」及び「モバれぴ」を基盤としたものとなっております。このため新たな法令の導入等、予期せぬ事象によりサービスの利便性が低下し、競合サービスに対する競争力を喪失して利用者数が減少した場合やサービス運営が不能となった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

競合について
「クックパッド」及び「モバれぴ」は、料理レシピの投稿及び検索に特化したサービスとして利用者の獲得において先行しているものと認識しております。しかし、今後、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びその拡大が生じ、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、当社が今後において優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かについては不確実な面があることから、競合他社や競合サービスの影響により当社の競争優位性が低下した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
以上は決算短信から抜粋

と、そんなタイミングで、6月16日、Googleがレシピ検索をリリースしまして驚いた次第。

日々の料理がちょっと楽しくなるレシピ検索機能が登場
2010 年 6 月 16 日
http://googlejapan.blogspot.com/2010/06/blog-post.html 


ネット上のレシピを検索してくれるわけですが、そのレシピの多くはクックパッドゆえに、結果、クックパッドPV数は激増することになりますが、入り口としてのクックパッドの地位は低下するリスクがあります。

PVの増加を広告費増、有料会員数増に確実につなげていけるか?

もしくは、広告費、有料会員数が停滞する前に、その他収益を確実に立ち上げていかないことには、かなり厳しいですよね。

クックパッドとしては、予想よりも早くGoogleが動いてしまったと思っているか、想定の範囲内としているかは判りませんが、事業リスクをしっかりと洗い出しているので、是非ガンバッテ欲しいなぁと思う次第。 

私は今後はGoogleレシピ検索を使うと思いますが・・・

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