国会の予算委員会は、時折不毛な質疑が勃発して面白い。

財務相、「違いで「官頼り
2010.1.26 22:51 産経ニュース

菅さんが予習が足りていないのは明らかなのですが、それよりも、「脱官僚依存」の主旨を取り違えているゆえかと。

大臣ならば政策に対する知識見識は持っておいて欲しい(もしくは事前に充分に理解していて欲しい)とは思いますが、知らない事を確認してそれを口撃するのも如何なものかと。

何もかも政治家がやる必要は全くないと思うのです。政治家は政治判断するのが仕事であって、細かな政策内のロジックや用語を説明するためにいるのではないと思ってしまいます。

賢い官僚を使い倒して、巻き込まれることなく判断をしっかり政治家ができればそれで良いと思うのですけどね。報道を見ていると、どうもそのようには見えてきません。

まぁ、質問した林さんにしてみれば、「消費性向」や「乗数効果」程度は常識の範疇で、呆れてしまったのでしょうけど。

◆消費性向とは?
 
可処分所得(実収入から税金などの非消費支出を差し引いたもの)のうち、消費にあてられる額の割合のこと。反意語は「貯蓄性向」。家計の消費意欲を示す指標となり、消費性向が高いほどその意欲があるとみられる。
http://m-words.jp/w/E6B688E8B2BBE680A7E59091.html
 
ようは、入ってきたお金のうち、貯金しないでどれだけ使うか?という事を割合で示したものですね。

1万円もらったら1万円全てを使ってしまうようであれば、消費性向は1。
半分しか使わないで、残りは貯金するようであれば、0.5という事になるということです。

◆乗数効果とは?

頻繁に使われる経済用語ですが、自分もざっくりとしか理解していません。

ざっくりとした理解では、消費性向が仮に0.5だとすると、

1万円もらうと、5,000円は貯蓄して5,000円を使う。5,000円を使うと、誰かは5,000円の所得となり、5,000円のうち2,500円を使う、2,500円を所得として得た人は、1,250円をまた使う・・・

と、投下されたお金が循環していくということで、

1*0.5+1*0.5*0.5+1*0.5*0.5*0.5+・・・・ ≒2

となり、1万円もらうと2万円使われる結果となるので、その時の乗数は、

2万円 ÷ 1万円 = 2

で、乗数効果は2ということになるのです。
計算式は
乗数効果 = 1 / ( 1 - 限界消費性向 ) となるそうです。

景気対策は当然ながら、乗数効果が高い方がよいわけなので、この数字が議論になるわけですね。

子供手当ては少子化対策という意味合いが強いことは分かりますが、普通のご家庭ならば子供の将来に備えて、余分にもらったお金は貯蓄してしまうので乗数効果は低いでしょうね。

逆に、20代〜30代の独身男性、女性や、子どもがいないDINKS世帯は余計にもらったお金はそのまま欲しかったものを買ったり、遊びにいったりと、消費性向は高いでしょうから、乗数効果は高いハズなんで、子どもがいる世帯にお金を上げるのと同様に、独身手当、DINKS手当のような政策をとれば良いのにと思ってしまったりするのですが、まぁ、現状においては、それは政治的意義が低いと判断されるでしょうし、支持もされないでしょうから無理でしょうね。

税金を若い世代の浪費にばら撒くな!と叩かれることは確実。

家計が厳しい人に助成するのも良いですが、余裕のある人たちにさらにお金を使ってもらうというのは良い事だと思うんですけどね。

若い世代が政治に関心を持ち、若い世代を徹底的に支援する政党が出きて、それらを徹底して支持して投票行動にでれば変わりますかね。

池田信夫さんは厳しく批判されているようです。
池田信夫Blog part2
乗数効果を知らない財務相

やはり、来年度は、マクロ経済の授業を履修して勉強しなおそうと思います。
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