2013年春アニメが豊作すぎて一気観する余裕が無かったのですが、GWを使って久しぶりに一気観しました。ということで、久しぶりの「これは見とけ!」系作品は全部観てやるぞ!キャンペーン活動報告です。

今回の一気観した作品は2012年7月〜9月放映の「ココロコネクト」です。アニメの可能性を改めて感じる、そんな作品でありました。

キャラクターデザインが、けいおん!の堀口悠紀子氏でありますが、内容はけいおん!のような日常系ではありません。ネタバレの無い形で感想を含め自分なりの解釈で紹介してみたいと思います。

■成長モノアニメの傑作
ココロコネクトは文化研究部の1年生男女5人を中心に物語が進むテレビ未放送分を含め17話。17話は4つので構成され、その1つ1つが「自我の確立」のための葛藤を際立たせる設定がなされています。

最終的に5人は「自分は自分だ」という境地に至り「自我が確立」され人間として成長していくのですが、ココロコネクトは登場人物のそれを見事に描いています。いわゆる「成長モノ」といえるわけですが、物語性を最小限に留め高校生の人間としての成長に焦点を当てた内容としては類をみない傑作だと思います。
※ちなみに私自身、アニメを楽しむ要素・方法はいくつもあり作品ごとにそれを使い分け楽しむわけですが、「成長要素」「哲学要素」は自分にとってハマる要素で、それらが巧みに織り込まれた作品を高評価する傾向があります。

■アニメゆえに実現できる設定
5人に不思議な現象が次々起こる設定になっています。その設定とは「人格入れ替わり」、「欲望解放」、「時間退行」、「感情伝導」の4つであり、この現象を通じ5人は自己を認識し、欲望のコントロールを知り、過去の自分の受け入れ、本音と建前、本当の人間関係を学んでいきます。このありえない設定はアニメゆえに出来ることですよね。他のアニメにも「成長モノ」はあるわけですが、ココロコネクトの良さは成長する過程に誰もがぶつかる悩みを明確にする為に設定がなされていると頃だと思います。

■声優の力って重要
人間関係、精神的な成長を描いているため会話中心に話が進みます。絵的に印象に残るような場面は多くないところを、声優の演技力で補っていた感じです。その中で、印象に残ったのは、メインヒロインの稲葉姫子。声優さんは、沢城みゆきさん。この人の演技力が作品の完成度を確実にあげています。他のアニメにも出ていたので知ってはいましたが、このココロコネクトのいなばんで「この声優さん、すげぇなぁ」と思わされました。他の登場人物の声優とは頭1つも2つも抜きん出てました。ルパン三世の峰不二子に抜擢された実力は伊達じゃないですね。

■演出が素晴らしい
連載アニメの大切な演出ポイントは1話毎の「引き」と「次回予告」だと思っているのですがココロコネクトにおけるそれは毎度秀逸すぎました。通常ならば本編からエンディング、CMを挟んで次回予告となるところ、本編の終わりからすぐに次回予告でそのままエンディング・テーマ突入という演出で次回予告までが1話となっている感じ、これは初めてのパターンでした。

■自分を知ること
「自分はどんな人間であるのか?」つまり「自我(アイデンティティ)の確立」というのは、誰もが一度くらいは悩むテーマではないかと思います。多くの場合は思春期、中学高校時代もしくは大学時代に他者との人間関係における葛藤を通じ一定の解決しているはずなのですが、そのプロセスが不十分なまま大人になってしまっている「面倒な大人」が結構います。

幸い自分の周囲にはほとんどいないのですが、ここで言う「面倒な大人」とは、何でも他責にする人、相手を否定することでしかできない人、自己否定が激しい人、他人の評価ばかり気にする人、相手を思いやれない人、自己主張ばかりの人などなどです。「自立出来ていない大人」とも言えるかもしれませんが、そうした「面倒な大人」の根本的原因は「自らを知り、自らを受け入れ認める」ことが出来ていないことだと思うのです。

■面倒な大人にならない為に
ということで「自我の確立」の為には「自分自身を知り、受け入れ認めること」が必要と考えるわけですが、これは家族以外第三者との人間関係を通じてのみ達成できることだと思うわけです。となると利害関係の殆ど無い学生時代に感情のぶつかり合い、出会い別れを繰り返し人間関係を学ぶ、部活やサークルで挫折を味わい自分自身を見つめなおすなどが大切であり、一番の近道なわけですが、こうした経験は大人になればなるほど機会が減ってしまいます。

学生時代にそうした経験をしてきていない、もしくは不十分なまま社会に出てて、大きな挫折、人間関係の問題にぶつかった時、自己解決すことが難しくなるわけです。近年、うつ病になってしまう人が増えているようですが、一因は学生時代の人間関係経験にあるのではないかと思うのです。

社会に出れば学生時代とは次元の違う人間関係の苦労が多々ありますが、すくなくとも学生時代には沢山の人と出会い交わり本気の喜怒哀楽経験を積み、そこから自分自身を見つめ答えを見いだす経験は不可欠なんだろうなと思う次第です。


と、以上なんか回りくどい紹介になりましたが、要は「ココロコネクト最高!いなばん最高!」ってことです。

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