コンビニはセブン-イレブン派なのですが、ドーナツに限っては圧倒的にローソン派です。

 ローソンドーナツ、圧倒的なクオリティです。セブン-イレブンのドーナツ、頑張っていることはわかるのですが、いまだ菓子パンの域を脱していない印象です。

 コンビニドーナツの影響は軽微と見ているのですが、ミスドが傾きだしている様子。 

 ミスタードーナツが、コンビニドーナツなどの影響で店舗数が激減し経営危機状態か(2016年8月4日ニフティーニュース)

 何故ミスドが苦戦しているかはまたいつか考察するとして、今回はイマイチのセブン-イレブンのドーナツについて。

 最近、セブン-イレブンのドーナツに大きな変化があったのですが、ご存じですか。こんな感じに変わりました。

 711Donut
 
  そう、パッケージが変わったのです。それまでは、注文があるとレジでメニューをスキャンしてから什器よりトングでとり、紙袋に入れるオペレーションだったのですが、現在は什器に陳列する段階で、包装された状態で、レジでは包装に付いたバーコードをスキャンするというものに変更されました。

 この変更を見て思いました。「流石、セブン-イレブンだなぁ」って。
 
 この変更によって、セブン-イレブンのドーナツ売上は次のステージに突入することになるでしょうね。 

 売り側にとって、
 ・オペレーションが簡易になり売りやすい
 ・品質管理がしやすくなる(廃棄タイミングが明確になる=味が落ちた商品を売らなくなる)
 というメリットがあるわけですが、

 今回のパッケージ変更により、買いやすくなり、持ち運びが楽になり、買ってすぐに食べなくとも良くなったのです。 これによりドーナツ組の売上はもちろん、菓子パン組がドーナツに流入し、全体売上は確実に増えることでしょう。

 コンビニドーナツは、当初、いわゆる「ドーナツ屋」の雰囲気を踏襲した販売方法にしたわけですが、それであると、ドーナツが好き層の取り込みにしか見込めなかったのですね。
 
 おそらく、コンビニ社内でドーナツを企画していた段階で、メインターゲットを「ミスド消費者」、打倒ミスドとして企画が進んでいいたものと予想されます。
 
 となれば、当然提供方法は、ミスドのような形になるのは自然の流れ。ところが、フタをあけてみれば、イマイチな状況が続くわけです。

 セブン本部内での、改善の一手は「商品力強化」であったのであろうことは容易に想像がつきます。実際に、商品そのものは改善しつつありましたが、劇的に売上を上げるにはいたらない。

 個別包装は、ミスドのようなコンビニドーナツをコンビニで!という当初目論見の呪縛を拭い去った結果だと思います。紙に包んだ中途半端な提供は「コンビニ」ではなかったということですね。立ち返って根本を見なおした結果かと。

 こうした大きな方針転換が出来るセブンイレブンは流石だなと。
 
 マーケティングの4Psの視点で考えると、今回の個別包装への変更は、当然製品(product)に含まれることですが、パッケージを変えることで劇的に売上が変わることが多く、パッケージ(Package)は「新たなP」として注目されています。
 
 Harvard Business Review2005年5月で特集されたこともあります。(Amazonでは売ってませんでしたので、直リンク)
 http://www.dhbr.net/ud/backnumber/50c599146a8d1e5129000004

 セブン-イレブンのコンビニドーナツ事例も、パッケージ変更の好事例になるのではないかと、大変注目している次第です。

 
図解でわかるパッケージデザインマーケティング (Series Marketing)
小川 亮
日本能率協会マネジメントセンター
2010-07-18




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