たまにはアニメネタ以外のことを書いてみようかと。

■対面講義でなければいけない理由、対面講義の価値をどこに見出すか

オンライン講義は不可逆的でしょうね。

コロナが落ち着いても、一度経験してしまったオンライン講義に対する学生からのニーズは無くならないでしょう。

実際、わざわざ大学に行かずとも講義が受けられるのであれば、それが良いと思うのは自然なこと。

これを、コロナが落ち着いたからオンラインはやめて、全員大学に登校しましょうとしても、学生たちは受け入れ難いでしょうね。

対面を強制しておきながら、オンラインと何も変わらない講義を提供したら、学生たちから「オンラインで十分じゃないか」「わざわざ大学に来させる意味はあるのか!」と不平不満が出てくることも容易に予想がつくところです。

学生同士のディスカッションがしやすくなるのは、対面のメリットだけれど、技術的にはオンラインでも可能なわけです。

対面で受講させる理由、対面で受講することの価値を何とするか。
最近は、そればかりを考えています。

答え的なものはまだ持ち合わせていません。

■基礎科目・教養科目は共同開講で良いのでは?

どこからでも参加できるようになれば、大学なんてどこでも良いわけです。

制度を作れば、科目毎に異なる大学の講義を履修することだって、可能になるわけです。
現在でも相互単位認定の仕組みがあるわけなので、それを拡大したら、やろうと思えば出来るはず。

それをしたら、例えば、1年生向けのマーケティング基礎科目は、◯◯大学の△△先生の講義が良いなどとなり、人気が出る教員のところに学生が集まり、不人気な講義をする教員の「教育」面の仕事は無くなりますよね。

大学の講義科目は、東進ハイスクール形式になる未来です。

それはそれで経営効率を考えると「あり」だと思うのです。

学生にとっても、質の高い講義が受けられることはプラスであると思いますし、講義が負担に感じている大学教員にとっても負担軽減になりますし。

教養科目、基礎科目は、主たる特定の教員がまとめて担当する。そんな大学の緩やかな提携関係構築が進むのではないかと。特に地方の中小私立大学においては。

講義に関しては、大学教員間の仁義なき戦い(競争)が勃発することになりますし、非常勤講師で生計を立てている人は、仕事をなくしますね。

オンラインが定着することで、大学のグループ化、経営統合が進みますな!(進まない事情も知ってるけど)

■オンラインが主流となった大学の存在意義は

じゃぁ、大学の存在意義はどこに?となるわけです。

教養・基礎科目の講義はオンラインで統合された先に、個々の大学の特徴、その大学でしか行えない大学教育を鮮明にし取り組む必要があるわけです。

地域、自治体、企業などと連携とした実践的な取り組み、フィールドワークなどは、オンラインではまだ難しく、大学および大学教員の企画調整力に依存する内容であるので、一つの特徴になりえるでしょうね。

超実践的な学び、経験を積める場としての大学、これがこれからの価値なんだろうと思っています。

もちろん、そもそもの大学の価値である、知の探求の場として研究、研究者育成に注力する大学も出てくるでしょう。

現在の大半の大学は、社会人予備校化しているので、実践的な学びに特化する大学と、そうした研究に特化する大学とは棲み分けされて良いと思うのです。

自分の勤務校は、研究大学ではないので、研究者を育てるより社会で活躍する人材を輩出する方に軸足を置いています。

フィールドワークに力を入れると宣言し3年がたち、だいぶ活動が増えてきました。それは環境を鑑みて正しい方向性だと思っています。自分も願ったり叶ったりな環境で仕事ができています。

■大学が地域活性化の中心になっていく時代に

大学が地域活性化の中心になっていくべきだと考えていまして、それを一歩すすめるために、大学内にベンチャー企業を作りたいなと、最近考え出しています。

在学している学生たちを雇用する形で、地域の課題をビジネスを通じて解決する、ソーシャルビジネスを展開できたらと。

学生たちを戦力として、地域の中小企業をサポートするような事業も可能性を感じています。

学生たちの在学中の起業もサポートしていっても良いかも知れません。

大学教員をしていると、可能性は広がるばかりなのですが、それを実ビジネスとして展開しようとすると、色々と制約も生じてしまうのです。

例えば、収益事業になってしまう場合がそれです。

いや、教員の立場でないならば、いくらでも出来るのです。でも、あくまで学生の教育目的ももって、大学の取り組みにしたいと思うと、事業収益をあげることのできる組織が大学内にあって欲しいと思うのです。


大学在学中に、実ビジネスに具体的に関わることができる、起業するチャンスがある、実社会と連携した活動が多数経験できるような、大学。

そういう実践的な学びを全面に出している大学は既にありますが、それをより具体的な形で実践できるようにしたいと思うのです。組織的に。

そのためには、在籍する大学教員の質も変えていかねばなりません。

一教員として、取り組む限界を感じているのかもしれませんね。


妄想が過ぎましたので、これくらいで。

「混乱時における最大の危機は、混乱そのものではなく、従前の論理に基づいて行動することである。」(P.F.ドラッカー)
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